着信31 ページ1
＊
今の試合は、烏野対音駒。
個人的に、烏野の方を応援している。
だって、自分の高校だもの。贔屓するよ、やっぱり。
翔陽と飛雄の速攻は、まだまだ決まらない。
前の速攻というものを私はみたことがないので、研磨やクロの話から想像しかできないけれど、かなり、すごいもののよう。
苦しそうだなぁ、翔陽……
この合宿で烏野の他のメンバーは進化してきた。
月島くんもさっきのブロックはこの前までのものとは、明らかに違った。それに、周りもミスが減ってきた。
だからなのか、より一層、二人の速攻のミスが目についてしまう。
翔陽に上がったボール。それは、翔陽の手の先に緩やかな放物線を描いてやってきて、音駒のコートに落ちる。
____おお、ナイス。
「おい、今手ェ抜いたな ！」
「は ？ 手を、抜く ？ 俺が、バレーで ？」
ため息を一つ彼らにつく。
喧嘩かぁ……。試合中にやんなよ、でもさっきのトス、何が悪かったんだろ。
現文の武ちゃんこと、武田先生がタイムアウトを取る。
あ、私はタオルとかその他諸々配らなくては。
自分のやるべきことをふと、私は思い出しタオルを人数分引っ掴んで、隣の控えリベロ、芝山に問う。
「ねぇ、芝山。
「さぁ ？あ、俺ドリンク配ります ！」
ありがとう、と遠ざかる背中に声をかけて、私は私でクロや研磨たちの肩にそっと、タオルを置いていく。
これは、中学の時もやったことはあるから、なんの迷いもなくやっていける。
烏野側の方に耳を澄ましてみれば、どうやら、本来ならば落ちてくるはずのボールが私も感じた通り、緩やかな放物線を描いてきた。ということらしい。
んー……。わかるような、わかんないような。
そして、ひたひたと盗み聞きをしている、という罪悪感がやってきたから、もう、聞かないようにしよう、うん。
まぁ、でもひとつわかったこと。
つまり、あの独裁の王様、飛雄が。スパイカーがセッターに合わせろ、精神の飛雄が。
「なんとかしてでも、スパイカーに打たせようとしたってわけね」
しかも、それを無意識に。
そりゃあ、少しだけ寂しいけど、ホッとしたし心から良かったと思えるもの、今度こそ。
飛雄の相棒が翔陽で、良かった。
チラリ、と彼らをみてみたら、初日の気まずさ、ぎこちなさは抜けていて、もう大丈夫だと感じた。
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七瀬@杏樹(プロフ) - りんりんさん» はい…そこから大まかなイメージを頂きました。まぁ、例のセリフだけなので密接に関係があるわけではないんです笑コメントありがとうございます！ (2017年9月22日 23時) (
レス) id: 3067bbe722 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - あら、ハッピーシンセサイザ...ですね？ (2017年9月21日 23時) (レス) id: 08c84499b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬杏樹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Annzu/.
作成日時：2017年1月6日 17時
