自覚 ページ25
｢うわ！モテ男にしか許されないセリフ｣
｢不破くんだから許されるのあるな。……でもそれなら、尚更手放してあげた方がいいんじゃない？｣
｢は？｣
｢女の子は案外不破くんが思ってるより強いよ｣
不破はそれに、絶対そんなことないと返した。数十秒の間を開けての返答だったが、彼の自信は欠片も失われていなかった。
｢だってAちゃん、俺がおらんとすぐ死にそうやし。この前も俺が行かんかったら真夜中に一人でコンビニ行こうとするし、あんなきっちりしてて綺麗好きなのに部屋中荒れさして、でも骨壷だけ綺麗にして抱いとるような子やで。返信もいつもは速いのにあの日だけめちゃくちゃ遅かったし、それに、…………あれ、もしかして俺めっちゃ喋ってる？｣
｢かつてないくらいに喋ったね｣
｢………………ありえん｣
｢ふわっち今日情緒不安定なかんじ？｣
｢………｣
｢あら｣
｢明那。不破くんは今自分との会話で忙しいから放っといてあげな｣
｢ほんまありえんって｣
｢……まゆ〜。今日俺の奢りでいいから三人で飯行かん？今のふわっちに必要なのは俺たちだ｣
｢宵春Aの間違いでしょ｣
｢今Aの名前出した？｣
｢ほら｣
｢ぐぅの音もでない｣
先程まで己の脳内の声しか聞こえなかった不破の耳に、宵春Aの音だけがクリアに通過した。そしてまた、そんな自分に心底驚く。…………だってこんなのって、まさか。それがスルりと舌を滑ったのは、気の置けない友人がそばにいたからだろうか。どんな状況であっても決して不破を傷つけない、そんな信頼が満ち満ちた空間であるから、不破は自身で有り得ないことも口にできてしまった。
｢こんなん、…………俺があの子のこと好きみたいやんか｣
だから最初からそう言ってるでしょって、黛が紅茶を淹れながらため息をついた。不破は呆然としながら、ストンと心臓に入ってしまったそれに、ただただ驚きを隠せなかった。
︎ ︎ ︎ ︎三枝はひっくり返った。
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ひな(プロフ) - ぴた様の書かれる言葉や文が大好きです。素直に好きだという２文字しか出てきません。胸焼けしてゆくみたいに心の底からすごいって思います。お話が面白くて、語彙力が高くて、キャラ像が崩壊しなくて、いい意味で胃もたれしました！ありがとうございました！！ (9時間前) (
レス) @page50 id: 1ddf176c35 (このIDを非表示/違反報告)
弓月有無％(プロフ) - 完結おめでとう御座います！！世界線も繋がってるの面白かったですし、やっぱり惹かれる様な題名や言い回し、表現の仕方 物語で毎回どきどきします！後書きまでも共感しましたし＋αも本編も迚も胸に残る様な感じで印象深く本当に素敵でした!是からも応援しております！ (3月28日 21時) (レス) @page50 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
ぴた(プロフ) - 桃花さん» コメントありがとうございます。とても嬉しいです。これからもどうかよろしくお願いします🫶 (3月13日 23時) (レス) id: 2515d01abe (このIDを非表示/違反報告)
桃花 - めっちゃ面白いです！作者さんの作品好きで全部見てるのですが、この作品が特に好きです！ドロドロとした関係で、ストーリーめっちゃ考えられててすごいなって思います。 (3月13日 23時) (レス) @page41 id: 395406b1cf (このIDを非表示/違反報告)
ぴた(プロフ) - しずくさん» コメントありがとうございます💓これからも楽しんでいただければ嬉しいです！ (3月8日 23時) (レス) id: 2515d01abe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴた
| 作成日時：2023年12月15日 16時
