短編集【ヒプマイ】

2 fin. ページ5

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「まぁ、悪くねぇな」

『これ結構高いやつですからね』


さり気なく冷蔵庫にケーキを締まってから普通にポリポリとポッキーを口にする碧棺さんの隣に座れば、箱を差し出されたので1本頂く



「…で？、何買ってきたんだよ」

『ぶっ、ぉ…いや、ちょっと』


「ふーん…まぁ、いいけどな…おい、ちょっと付き合え」


意地の悪い顔をしてからお菓子を咥えたまま此方を向いて差し出してくる…まさか


「菓子のチキンレース、イモ引くなよ？」

『ポッキーゲームって言ってください…いやいや、それはちょっと』



「…報酬、弾んでやんぜ？」

『……いざ』



すみません、どうしても金欠なので…乗りました

そっと反対側を咥えたけど結構な距離で結構やばい



顔綺麗かよ、しかも色っぽい…ダメだ早急に折る！


首を横に動かそうとすれば、何故か碧棺さんの指輪が耳に当たったことで自覚した…固定されたと



待て待て待て




「にげんなよ…たのしもうぜ？」



咥え乍話してはｻｸｻｸと1口づつゆっくりと迫ってくる…ちょ、これは…無理



「…ん、」



気が付けば息がわかるほど、目の前に…ぁ、これダメだ

自分の顔の温度の上昇と迫るイケ面にギュッと目を瞑る




ﾎﾟｷｯ



「あーぁー…折れちまった」



菓子の折れる音と共に手と顔が離れていく、ぁ…危ねぇ



『…っぶはぁ、報酬確保』


「なんつぅ声出してんだよ、口直しにお前が買ってきたもん食おうぜ」

『はい…って、バレてる』



「当たり前だわ…おい、言うことあんだろ？」



1度ソファから立ち上がるも思い出したかのように振り返っては笑みを浮かべる碧棺さん



ずるい人だな、最初からわかってたのか




『お誕生日、おめでとうございます…碧棺さん』


「おう、こんな世の中だが…今年は悪くねぇな、サンキュー」



隠していた積もりの包みを渡せば、雑に頭を撫でてくれた…まぁ、嫌いではない



「つぅわけで…今日は俺様が主役な訳だ」


『な、何をご希望で？』


「ﾊｯ、わぁってんじゃねぇか…そうだなぁ、まずお前の飯食わせろ。俺様直々に評価してやる」

『うぐ…味の保証が』


「ま、最悪になる前に手ぇ出してやっから」



そういうと手を差し出されたので、渋々手を取り立ち上がる


が、そのまま引っ張られては腰に片手が回り



「あん時踊れなかったからな…1曲どうだ？」

『ちょ、私踊れな…』


「俺様が教えてやんよ…ついて来い」



そう言って楽しそうに笑みを浮かべてた

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