正反対な兄妹 2【ヒプマイ】(簓妹主) (ページ45)

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93：進む状況、止まる時間ページ45

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＂苦戦を強いられましたが、勝者…Buster Bros!!!＂

テレビで放送された地区ごとの予選映像、順調に進んでいく知人達が映し出されるが兄の居る西都は局外らしく放送はされなかった

いつも通りの面子に納得をするが画面越しに写った山田家の様子が少し違った

ふと、二郎くんが転がり込んで来た時のことを思い出す

ひょっとしたらちゃんとぶつかった結果、歪みができてしまったのかもしれない…けど、複雑ながら少し羨ましさがある

予選決勝につれ、彼の表情は明らかに変わっていった

私も、勇気があれば……なんて、ただの戯言

近い様で遠い存在の彼らを横目に私は身支度を整えテレビの電源を切った

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卒研は順調、あとは…

『また、不採用…かぁ』

就職活動。送られてきたお祈りメールに深い溜息が出る

バトルで大学内のファンがピリピリしている空気へのストレスと同時に重く伸し掛っては足が重くなるもスマホで検索をかける

ﾄﾞﾝｯと不意に目の前に衝撃が走りスマホを落としてしまった、しまった…歩いてたからぶつかったんだ

『！、ごめんなさ…わ"』

「前見ろ、俺じゃなきゃ絡まれんぞアホ」

『さ、まときさん？！…何してここに』

慌てて顔をあげれば額を軽く捕まれビクッと驚くも指の隙間から見えた銀髪と赤い瞳に思わず驚けば、そのまま髪型を崩す様に撫でられた

「面貸せ。飯行くぞ」

『え、ちょ…んな急に！』

大学の正門に居た時点で待ち伏せされてたのは明白だが急すぎる。考える間もなく荷物を取られてしまい、慌てて後をついて行った

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昔、兄と左馬刻さんが通っていた店

珈琲を片手に一息着く姿は相変わらず様になる。私はクリームソーダを頼んではアイスをつついていた

「相変わらず好きだな、ソレ」

『アイスとソーダが楽しめて一石二鳥なんですよ、あと美味しいです』

「そうかよ」

興味がなかったのか短い言葉で終わった。何時もの事なので気にせず口元へアイスを運んではストローでソーダを飲む…うん、美味しい

すると左馬刻さんは珈琲を置いたと同時に少し真面目な顔をこちらに向けてきた

「お前、合歓に会ったろ」

『う"、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ！』

「何噎せてんだよ」

『なんで、急に…』

「俺もアイツに会った」

会った…？

自分と重ねてしまったからか驚きで言葉が出なかった。私の様子を見て確信を得たらしい

カランと氷の音がやけに大きく聞こえた