正反対な兄妹 2【ヒプマイ】(簓妹主) (ページ22)

今日:14 hit、昨日:94 hit、合計:34,943 hit

70：似た者同士だなってページ22

.

「＂本当に大丈夫だったんだよな？＂」

『いや、だから話しただけやって…まじで何もないって！』

左馬刻さんと別れた後、携帯を確認し一郎くんへ返信を打ったら電話が掛かってきてから始まった問答

音信不通の反動か兄の様に過保護な対応…っていうか、恐らく左馬刻さんが絡んでるから余計に酷い

『もう、明日から試合でしょ！はよ寝んと、…韻踏み下手になるで』

「＂…ぶはっ、なんすかそれ＂」

『お、思いつかんかったの…あ"ぁ、笑わないで！もう切るよ！！』

適当な理由をつけて会話を終わらせようとした罰か笑われるし、自分でも変な脅し文句だと思う

電話越しでも分かる笑いを堪える声に羞恥が増す…くそぉ

「＂悪ぃ、ついな……Aさん＂」

『もう…ん？』

「＂…明日、絶対勝つから…見ててくれ＂」

不意に声のトーンが真っ直ぐに変わり少し驚くも何処と無く今日聞いた彼に雰囲気が似てた

やっぱ、兄貴分の影響があるのか…性格の問題なのか…彼らは少し、いや結構似てるかもしれない

不器用な優しさを持つ鬼と真っ直ぐに前を見る少年ってところか

…なんて言おう、左馬刻さんに似てる〜って言ったらめんどそう

『うんうん、見てるから頑張ってね』

「＂…なーんか、子供扱いしてません？＂」

『いやいや、暖かァく見守ってるだけよ』

「＂んんん…ちょっと、揶揄ってます？＂」

『勘繰りすぎやって！！……頑張ってね、』

「＂…おう。おやすみ＂」

『はいよ、おやすみさん』

彼と話すといつも少し気が緩むな…弟感があるからだろうか

泣いても笑っても明日から試合、見届けるって約束したしちゃんと応援しよう

みんな理由があって彼処に立つのだろう…嘗ての彼らと変わらないはず

私は…どうなんだろう

『…うちも、そろそろ歩かんとなぁ』

うんと伸びをしては少し引っかかるトゲを無視して眠ろうと部屋へ戻った

━━━

━━

━

活気のある会場内とライトアップされる中央ステージ、その上にあるモニターにはトーナメント表が表示されている

「うわぁ！やっぱ、中王区主催だと規模が違うね」

『そりゃねぇ…えっと、収容規模が2万人くらいだって』

電子チケットに表示された場所へと友人と共に着席をしたけど…

「乱数ちゃんの居るポッセが絶対優勝だって！」

「左馬刻様こっちみてくれないかなぁ」

試合を見に来るっていうより…コンテンツを見に来てる人が多いのね