68:犬猿の仲になった2人 ページ20
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「お見苦しい所をお見せして申し訳ない」
申し訳なさそうに腰を折る寂雷さんに慌てて手を振っていれば、少し困った様に笑っていた
『い、いえいえ!…えと、寂雷さんがあんなになるの少しびっくりしましたけど』
「…えぇ、少々ありまして」
『あ…そうだ、寂雷さん。左馬刻さん見てませんか?呼び出した癖に見つからないんですよ』
「おや、左馬刻くんと連絡を?…ここに来る途中喫煙所がある外へ出ていくのを見ましたよ」
『…マイペースすぎやろ、あんのヤクザ!』
「ふふっ…左馬刻くんと君は相変わらず仲が良い様ですね」
『仲良いってわけでは…』
頭を抱える私を微笑ましく見守る寂雷さんの安心感が妙に懐かしいけど、なんか…申し訳なさも…連絡先一掃してしまったし
すると不意に目の前に黒い端末が差し出された
「ここで再会出来たのも何かの縁。もし宜しければ連絡先を交換しませんか?…また、時間があった時にお茶でもしましょう」
『…寂雷さん、…ぜひ』
な、なんだろうなんか…断れないし、後ろからお光が差して眩しい
と目を細めていれば後ろの方で物騒な声が聞こえてきた
……まさか、
恐る恐る振り向いた先には互いの胸倉を掴み合ってる
「テメェ、もっぺん言ってみろやゴラァ!」
「何遍でも言ってやんよ、クソ野郎が!」
左馬刻さんと一郎くんだった…もう、まじでなんでこうなるん
頭を抱えていれば、後ろから寂雷さんが彼らの元へと向かっていたので後を着いて行った
「2人とも、そこまでにしてください。ここはロビーですよ」
「寂雷さん…と、え?」
「先生…ぁ、お前どこほっつき歩いてんだよ」
『いや、それはこっちの台詞です!!』
寂雷さんと亀裂がない2人はあっという間に収まるも、私に気付いたらしく覗き込んできた
って、このやろ…責任転嫁しやがった!
爆速で向かったのに消えたのはあんたやろ!!
恨めしく左馬刻さんを睨んでいればそうだったか?と誤魔化す様わしゃっと頭を撫でてくる
が、パシッとその手を取ったのは一郎くん
「おい、気安く触んじゃねぇよ」
「あ"?テメェ指図してんじゃねぇ」
「Aさん、大丈夫っすか?…髪痛くねぇか?」
『え、あぁ…うん』
「シカトしてんじゃねぇ…ぶっ殺すぞ!」
乱れた髪を直すように撫でる一郎くんと怒鳴る左馬刻さん
ここまで、だったとは…
いざ目の前で現実を見ると萎縮してしまう…こっわ
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Trash(プロフ) - この作品大好きで…無理をなさらないように頑張ってください! (9月24日 10時) (レス) id: 16ea785e42 (このIDを非表示/違反報告)
夜空ゆーたお(プロフ) - 続き楽しみです! (7月28日 18時) (レス) @page27 id: d76bc8bfcd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャチ矛 | 作成日時:2022年5月17日 12時