トリップなんて望んでない！第4部 完結【ヒプマイ】

171：記憶は人と人を結ぶ ページ23

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手を挙げて見れば、少し嫌な顔をされた…けどOKをもらった



「はぁ…どうぞ」

『あと何日で退院して帰れますか？』


「退院自体は明日で問題ないそうです。帰宅に関しましてはこちらからお伝え致しません」



『じゃあ、退院後は…？』

「行政監察局内にての保護となります」




まじかぁ…結局帰れる目処が立ちそうにない

オマケに保護って言ってるけど…幽閉では？


ん？…ちょっと待って？




『あのぉ…私、自由では？』

「えぇ、護衛付きでしたら中王区内での行動に制限はありません」



へぇー…って、実質監視じゃんか！

あのおッパイ…騙したな (※思い込みです)




「質問は以上ですね？…では、本題に移りますよ」

『はーぃ…』


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「以上です、ご協力感謝致します」



『ぃ、いえ…ドウイタシマシテ』



な、長かった…聴取で2時間半って

ぐったりとベットに沈んでいれば、席を立った彼女は私にお構い無しに部屋を出ていこうとしてた



けど、扉の前でピタッと止まった




「…ディビジョンラップバトルの予選が終了しました」


『！、ぇ…よ、予選終わってた？！』




不意にボソッと呟いた言葉に思わず驚いて食いつけば、彼女は淡々と振り向き教えてくれた




「予選はテレビ放送がありませんので、報道で結果のみが伝えられます」




『ぁ……ニュース、みてないデス』




「……はぁ…予選を勝ち抜いたのは4チーム



イケブクロ ディビジョン Buster Bros!!!

ヨコハマ ディビジョン MAD TRIGGER CREW

シブヤ ディビジョン FlingPosse

シンジュク ディビジョン 麻天狼



近日、この中王区にて決勝トーナメントが行われる予定です」




凄く間の置いた溜息と呆れた視線を頂いたけど、ある意味いい情報をくれた


決勝、ということは…もうすぐ中王区に来るんだ

でも何でその事教えてくれたんだろう？




『あの、』


「今回の件のお陰で、行政監察局 副局長への昇格が決まりましたので…一応の借りを返しただけです、それでは」



聞く前に質問が読まれていたのか被せて答えられて、そのまま病室を出ていった


…私って、結構見下されてるっぽい…まぁ、バカ丸出しだしね





『決勝かぁ…、見に行けるか後で頼んでみようかな』



そういえば、もう数日以上連絡を取ってない



心配どころか忘れられてるかもなぁ…と考えた途端、ふと頭を過った



もし、忘れられたら…



私はこの世界で…帰る場所も、行く場所も無い

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