168:用意されていた舞台 ページ20
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差し出された手を、私は…取る気にならなかった
理由は、色々ある…
何故この場所を把握したのか?何故上層の人間が動いてるのか?
先程の報告、裏が取れてるのにすぐに動かなかったのは?
…あの女の性格といい、中王区には余りいい印象はないため疑いに掛る
すると、碧棺さんの妹さんは声を掛け続けてきた
「可哀想に…あの男達を守るためにこんなにボロボロになって
けど、もう大丈夫です。貴方は弱い…守るのではなく、守られるべき存在なのです。どうか、我々と…」
甘く優しい声告げ、包む様に抱きしめてきた
緊張の糸が切れそうになるも…グッと堪え力の限り押し離す
『、申し訳ないんですけど…もう、帰りますので』
「やはり、ヒプノシスマイクの攻撃に耐えられるだけの強い精神の持ち主ですね…堕ちればよかったのに」
離れた妹さんの表情は声と真反対で無表情だった
…なるほど、弱みに付け込む方法だったのか
私を堕としたいなら推しキャラか声優連れて来い…(※ハイになってます)
立ち上がった妹さんと近付いてきた胸が大きな女性が私を見下す
口を開いたのは妹さんだった
「それはできません。貴方の身柄は、我々中王区行政監察局下にて保護させていただきます」
『!?、ちょっと…待ってください、保護なんていらな…』
突然の申し出に慌てて答えれば、胸の大きい人が遮った
「今回の件、我々中王区という国民の鏡となるべき組織内の事件となれば、重大案件であるため即刻対応せねばならない
特に貴様はこの事件の被害者兼参考人となる。よって、我々に同行する義務が発生する」
『そうかも、しれませんけど…でも、それは』
「断る場合、彼らも聴取に応じてもらわなければなりません…と、なればディビジョンラップバトル予選には間に合いません。よって彼らは棄権と見なされ予選敗退となります」
妹さんは倉庫の方に視線を向けてから淡々と話した
何なのそれ、…選択肢がある様で、ない
もしかして…これは、
『…、謀りましたね…こうなると、知って』
「フッ、憶測でものを言うな。この件は諸橋沙苗が単独で行ったものだが、監督不行届であった事は詫びよう」
詫びる所か堂々としている…これが中王区のやり方なのか
覆したかった筈なのに、結局誰かの手の上で転がされただけ…何も出来なかった!
自分の情けなさに強く唇を噛み締め、1つしかない選択肢を選んだ
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ぽぴぽ - 今更ながら読みました! 最初から最後まで一気に読んじゃいました! 夢主さんのラップすごいです! 今日(今更)からヒプマイゲーム始めたど素人ですが、やばいです(語彙力が死んだ)! コロナにお気をつけながら活動を続けていってください。 (2022年1月14日 23時) (レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
シャチ矛(プロフ) - たちさん» コメント、ありがとうございます!連載当初からお読み頂き嬉しいです…!最後までお読み頂きありがとうございました!🙇♀️ (2021年9月23日 1時) (レス) id: 2c67dad901 (このIDを非表示/違反報告)
たち(プロフ) - とても感動しました!連載当初から追わせて頂いてて、もう感慨深いです。素敵な作品をありがとうございました!! (2021年9月22日 23時) (レス) @page50 id: a356122f3b (このIDを非表示/違反報告)
愛猫愛犬 - 好きです!更新頑張ってください!面白い作品ありがとうございます。 (2021年8月9日 16時) (レス) id: fa046c7faf (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ(プロフ) - 初めまして!本当に面白くて1日でシリーズすべて読んでしまいました(笑)これから主人公頑張れこれからどうなるのか楽しみです!体調に気をつけてください! (2021年5月16日 11時) (レス) id: 275c9d1c15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャチ矛 | 作成日時:2021年1月25日 21時