【金カム】愛で満たして【短編集】 (ページ10)

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衆合地獄はこちらです【鶴見篤四郎】ページ10

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浮気×鶴見

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酔いが覚めない頭の中、力の入らない手で鍵を解錠する。
草木も眠る丑三つ時。

私は履き慣れたヒールでさえもふらつきながら家に帰ってきた。

「 …とくしろーさん、ただいま。」

「おかえり、待ってたよ。」

「！…お、おきてたの。」

私は玄関の電気もつけずに、冗談半分で名前を呼んでみた。だけど、返事の主はすぐそこにいる。
真っ暗闇の中、私は恐る恐る部屋へ上がる。

「 …随分と遅かったじゃないか、会社の飲み会だけだったんだろう？」

「え、ええ。二次会もいってたの。」

誤魔化しようのない、返答に困る質問を投げかけられる。
不倫してた、だなんて言えない。

コートを脱いでゆっくりと廊下を歩けば、私の前にいる篤四郎さんも同じくリビングに向かっていた。足音でわかる。

「久々の華金だ。ゆっくり二人で話そうか。」

電気を点けられ、眩しさのあまり目が閉じる。
朝ぶりに見た篤四郎さんの表情は、私の悪事を全部見透かしたみたいな笑みだった。

怒っても、逆に悲しんでもいない、寧ろ楽しんでいるような表情に私は背筋に嫌な汗が伝う感覚を覚える。

「さあ、おいで。」

「 …。」

いつもみたいに篤四郎さんのハグに付き合えば、彼は私の髪を一束すくってにおいを嗅いだ。

「 …いつもはしない、煙草の匂い。少しツンとくるような香水の香り。誰のものだろうね？」

「！…さあ、飲み会の席に男の人も多かったし。」

「楽しんできた割には、唇に色が濃くのっているね。誰の為のお直しかな？」

「 …篤四郎さん、今日は意地悪ばかり言うのね。」

意地悪はどっちかな。

彼はそう言って、私の服をゆっくりと脱がせる。

「愛する私を置いて、外で雄犬に尻尾を振りまいてきたのは君の方だろう。」

「なにいって…ぁっ、」

淫らな格好になった私を抱き上げ、ベッドへと連れていく。いつもの優しい篤四郎さんなんかじゃなくて乱暴だった。

雑にベッドに投げ捨てられた私の上に覆い被さり、私の首に手をかける篤四郎さん。

「私が君のこと買い被りすぎたかな。それとも、こうなることをわかってて、私に意地悪したのかな。」

「うぐｯ、」

片手で絞められる私の首。彼のその手に私は両手で抵抗するも叶わなかった。

「浮気者が落ちる地獄はどんなものなんだろうね。私を気持ちよくさせてからそこにいくがいい。」

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