【金カム】愛で満たして【短編集】 (ページ5)

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悪いのはお前【杉元佐一】ページ5

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フレンド×杉元

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「ん、ふっ、」

部屋に響き渡るのは、二人の吐息とリップ音。口から漏れ出た液体はどちらのものかわからない。

生暖かい唾液が口の端を伝って顎から垂れる。

「ねえ、杉元さん、どうしたの。」

私と彼は、こういうことしかしない都合の良い関係だった。

こんなに情熱的な杉元さんの姿を見たのは初めてだった。
私は受け身にならざるを得ない状況で、彼からの愛を受け止めていた。

だけど、あまりに貪るような行為に彼を止めた。

「 …Aさ、好きな男でもできたわけ？」

「え、どうしたの、急に。」

杉元さんは私を押し倒した。
彼の狼みたいなギラついた瞳が私を捉える。

「いいから、答えろよ。」

「 …ん、あｯ、」

押し倒されて首筋に顔を埋められる。吐息がかかって甘い声が漏れる。両手はベッドに押さえつけられていて、馬乗りにされているから身動きが取れない。

唇が触れる首が、体が熱くなるのを感じて、頭がパンクしそうだった。

「 …そうやって、他の男にも甘い声出してるんだ。」

「ちがｯ、んん、」

彼はなにか勘違いしているのだろうか。
でも抵抗しても否定しても多分無駄だ。

私は、成り行きに身を任せ、もうどうにでもなれと彼の責めを受け続けた。

「何が違う？この前俺といた時、たまたま会った男友達と楽しそうに話してたじゃねえか。」

「 …あれは、そんなんじゃ、なくてｯ」

皮膚の薄い首や胸元、二の腕に吸い付くように口づけが落とされる。
少し痛みを感じながら、でも快感にもとれる。

「 …Aは俺じゃなくてもいいけど、俺はAじゃないと嫌だ。

だから俺に、こんな思いさせたお前が悪いよな。」

杉元さんは、私の唇に噛み付く。

汗ばんだ体が、絡み合う。壁にかかった時計を見れば、どんどんと時間が進んでいく。

ああ、今日も朝までかな。

部屋に響く音に、軋むベッドの音が加わったのはもうすぐのことだった。

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