【金カム】愛で満たして【短編集】 (ページ3)

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マッチングアプリにはご用心【宇佐美時重】ページ3

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?×宇佐美

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仕事終わり、スマホのチャット画面を開いて約束の場所を確認する。

今日は人生で初めて、マッチングアプリで知り合った人と会う約束をしたのだ。

会社の同僚に勧められてはじめてみた。
使い方がわからず、教えてもらえばある一人の人とマッチングしていた。
それが今日会う宇佐美さんという人だ。

「 …ど、どうしよう、遅れちゃう。」

手鏡で顔を見てみれば、残業をしたせいか疲れて見える。

時計はもうすぐ20時を指している。私は遅れまいと駅へ急いで走り、改札を抜けた。

指定された場所は、某有名なカフェで私は恐る恐る写真と同じ顔の人を探した。

奥の方でソファ席に座る短髪の男性が、そうかも。

「 …あの、宇佐美さんですか。」

「あ！はじめましてえ、Aさん？思ってたより可愛いなあ。」

ばっと立ち上がって、私の手を握ってきたのは間違いなく宇佐美さんだった。
思っていたより物腰柔らかそうで、優しそうな人だった。

「なにか、お好きなの頼んでくださいね。」

「ありがとうございます！何にしようかな。」

頬杖をついて、微笑みながら私を見る宇佐美さんと目が合う。

どうしよう、写真で見るよりめっちゃかっこいいじゃん。
私は、内心ドキドキしながらも注文したカフェオレを待った。

「残業だったんだ、言ってくれたら時間遅らせたのに。」

「いえ、そんなわけには行かないと思って…！」

「マジメだね、可愛い。」

「 …ｯ、そ、そんなことないです。」

この時間が過ぎて欲しくないなと、優越感に似た気持ちに浸りながら、何気ない会話を宇佐美さんと交わす。

だが、私たちの邪魔をしたのは会社の同僚からの電話だった。

「 …あ、すみません、ちょっと席外しますね。」

「どうぞ、待ってますので。」

宇佐美さんは、にこやかに私を送り出した。

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