【金カム】愛で満たして【短編集】 (ページ12)

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次の週の週末には運が悪いことに会社の集まりで食事会が開かれた。

あの日の行為が忘れられなくて、職場で彼を見ただけで疼くものがある。だからこそ、あまり尾形さんと接したくなくて避けていた。

「なあ、俺に酒は注いでくれないのか。」

「 …す、すみません。」

部長も課長もだいぶ酔いがまわっていて、どんちゃん騒ぎもいいところ。

挙げ句の果てに、私の上司であるこの尾形百之助は、飲みの場であることをいいことに私をこき使ってくる。

「なんだ、そのツレない態度は。」

「 …な、なんでもないです。」

お酒を注げば、持ち上げられないくらいなみなみにしてしまい溢れそうだった。

尾形さんはそんな私が気に食わなかったのか、掘り炬燵の中で私の足に自身の足を絡めてくる。

「お前、いいんだな。そんなに俺を軽んじるような態度をとって。」

「え、ｯあ、」

部長や課長達から見えない隅に座る私たち。
片足を尾形さんの足で固定されていて、私は身動きが取れない。

ストッキングの上から太ももを軽く撫でられる。
思わず出てしまった声に、焦って周りを見るが誰も私たちを見ていない。

「 …もう忘れたか、ポチ。その体、誰に躾けられたんだか。」

「 …ｯ、」

「寂しかったなあ、お前が俺の相手をしてくれない1週間は。同じ気持ちだったろう？A。」

「ふｯ、んん、」

上手く話せない。大きな声で喘ぎそうになってしまい下唇を噛んで堪える。

「 …俺が欲しいか？A。」

テーブルの陰で死角になっているから、尾形さんは何も言わない私を見て楽しんでいる。
横目で彼を見てみれば、口角を上げ笑っていた。

「 …はい。」

「頼み事は、口で言わなきゃわからんな。どうしたいんだ。」

私の太ももを撫でる手は止まらない。
空いた手でお酒をちびちびと飲みながら私の反応を見ている。

茹で蛸みたいに真っ赤になった顔で私は彼にお願いをした。

「 …お、尾形さんとシたいです。お願いします。」

「やればできるな、ポチ。」

そう言って、立ち上がった尾形さんは私を立たせ、二人でお店を出た。

「次は首輪が必要だな、A。」

そのあとは、もうめちゃくちゃにされたことしか覚えていない。

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