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初公演 ページ32

■■


「何だ、緊張してんのか?」

『してないと言えば嘘になるけど、そうでもないな』

「Aくんは大物だね。俺はすごく緊張するよ…」


幸に衣装を見てもらった後にステージの袖に立つと、観客席が見える。
千秋楽というだけあって客の集まりは上々のようだ。


公演内容はスラムで育った主人公(紬)とその親友(丞)がいろんな奴らと出会って、後にスラムを出ていくっていう…何というか、人間同士の助け合いみたいな話だ。

俺はレオニ―という敵か味方かも分からない、謎なキャラクターを演じている。



〜〜〜



舞台は大詰め。
スラムを出ていく2人の前に姿を現したレオニーが張り付けた笑顔で見送るシーン。



『そんな大荷物でどこにいくんだい?』

「出るんだよ。俺たちの夢を叶えるために」

『へぇ、そう』

「君の嘘にはもう騙されないよ。でも最後に、君の「本音」を聞きたいんだ」



心の真っすぐな主人公は、彼を騙し続けていたレオニーにさえ手を差し伸べる。
その手を取ろうと伸ばした手は、罪悪感によって下されてしまう。

不思議な顔をする紬に、俺はどこか寂しそうに笑った。




『ここが俺の故郷で、ここから離れることは一生ない。望みなんて、ないんだよ』

「顔には「出たい」って書いてあるぞ。…言えよ、本音を」



丞は俺の目を真っすぐに見る。


「ありがとう」
それが俺のセリフだ。



__だけど今日は千秋楽だし、ちょっとくらいアドリブしたっていいよな。



『じゃあ、』

「?!」



一瞬だけ、2人は驚いた顔をした。
そうだよな、今まで俺は台本通りにそのまま演じてきたんだから。




『俺を「愛してくれ」って言ったら、「愛してくれるの」?』

「…っ、」

「レ、オニー…」




丞は何かに気づいたような顔をした。
さすがに間が続き過ぎるのはヤバイか。



『__騙されてやんの。じゃあな、せいぜい俺みたいなのに騙されんなよ〜』

「ッチ、よく分かんねえ奴だ」

「警告してくれたんだよ、きっと。__行こうか」

「そうだな。俺たちの、夢のために」




こうして、幕は下りた。



■■

※講演内容は架空のものです

やっぱりカレー→←裏とオモテ



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あーか(プロフ) - 続き楽しみにしてます。 (2020年4月3日 17時) (レス) id: 460cee1a24 (このIDを非表示/違反報告)
哲弥 - あの…もう終わりですか? 俺楽しみにしてるんで、頑張ってください! (2019年6月6日 17時) (レス) id: 9dda0ba0f7 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ひなさん» ありがとうございます!精一杯書かせていただきます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - サカナさん» ありがたいお言葉…励みになります!ありがとうございます! (2017年9月6日 21時) (レス) id: 77b318de68 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 続きとっても楽しみです!頑張ってください! (2017年9月6日 18時) (レス) id: 9dcf28c287 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作成日時:2017年6月7日 22時

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