131＊ ページ31
亜嵐side
俺は病室に入って隼を見た瞬間、雷に打たれたように身動きが取れなくなった。
死んでしまったような青白さの隼
クタっと垂れ下がった手、数え切れないほどの痣
微妙に痙攣している身体
現実として受け入れるまで時間がかかった。
涼太と玲於が紙を見て泣いている。
隼…助かるよね……？
これで最後じゃないよね…？
ICUの方に消えて行った隼
みんなでICUに向かって、前のベンチに座っている。
玲於と涼太は泣きっぱなし。
また……
起きるよな？
亜嵐く〜ん！
ってあの可愛い笑顔で走ってくるよね？
抱きついてくるよね？
いつもみたいに、たわいも無い話して、笑い合えるよね……？
………またｯ………隣で笑いかけてくれるよね…？
視界が涙で滲んでくる。
ポロッと溢れ出た時、ICUのドアが開いた。
龍友「ｯ！先生！隼、助かりますよね!?」
医「小森さんの容態は、一応安定しました。ですが、胸骨を骨折しており、肋骨にもヒビが見つかりました。ストレスなどもあり、高熱が出ています。骨折の方はレントゲンとCT検査を行い、小森さんの体調上、バンドで身体を巻く固定しか行えません。」
嘘だろ……
胸骨……骨折？
痛みは尋常じゃなかっただろう…
メ「痛みの方は…」
医「壮絶な痛みが襲うと思われます。痛みは、数ヶ月続きます。痛み止めの投与を続けます。胸骨を骨折してしまった為、移植は現段階では行えません……。」
裕太「意識は…」
医「現段階では戻っておりません。いつ戻るか……」
嫌だ……
はやと……
会いたい
抱きしめて安心させてやりたい……
龍友「おぉ！っ大丈夫か？」
振り返ると、玲於が座り込んだ。
玲於「はっ…はぁ…はぁ、ｯ…ぉえっ……」
若干過呼吸になっている玲於の背中を龍友くんがさすると急に戻してしまった玲於
先生がサッと診察してくれた。
医「貧血を起こしてますね、病室お貸しします。そこに皆さん、お泊まりください！」
亜嵐「ありがとう、ございます……」
メンさんがフラフラで朦朧としている玲於をおんぶして、連れていく。
看護師が素早く、嘔吐物を片してくれた。
亜嵐「お願いしますｯ……。助けて下さい！」
医「最善を尽くします！」
そう言って、先生はICUに戻って行った。
俺も病室に向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こもりん??(プロフ) - あんさん» やっぱり泣いちゃいますよね！笑 ありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年3月22日 23時) (
レス) id: 751c27b14f (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - こもりん??さん» 私も泣いてしまって読めない気がします（笑）これからも更新楽しみにしてます! (2019年3月21日 18時) (レス) id: 500db723e5 (このIDを非表示/違反報告)
こもりん??(プロフ) - あんさん» 間に合わなかった系ですね……泣 書いてるうちに私が泣いちゃって書けなくなっちゃいますね、きっと笑 限界まで来て危険な状態になってしまい……どうなるかお楽しみに！笑 提案してくれてありがとうございます！ (2019年3月21日 18時) (レス) id: 751c27b14f (このIDを非表示/違反報告)
あん(プロフ) - 移植する日が決まったけど、移植する前日に隼くんの身体に限界が来てしまう…みたいな流れはどうでしょうか？これからもお話楽しみにしてます！ (2019年3月21日 1時) (レス) id: 500db723e5 (このIDを非表示/違反報告)
こもりん??(プロフ) - はーとくんさん» ありがとうございます！志田は最悪な人間ですね！更新頑張ります！ (2019年3月11日 23時) (レス) id: 751c27b14f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こもりん | 作成日時：2019年2月8日 19時
