いざ、吉原へ参る407 ページ7
更に数日後、今では晴太は週一で纏めたお金を吉原に持って行っていた。
真面目に働いた分、お登勢はしっかりと報酬を与え、大事そうにお金を抱えて晴太は毎週吉原に足を運んでいた。
しかし、銀時を始め新八達は怪しんでいた。
子供が稼いだお金を吉原の店番はまともに受け取り、帳簿になんか付けている物であろうか。
そんなできた話、あるだろうか。
お登勢達のようにこの世界は優しさだけで成り立っていない。
昨夜、銀時に告げられ、準備をし、神楽達も吉原に向かった。
地下遊郭
吉原桃源郷
中央暗部の触手に支えられ、幕府に黙殺される超法規的空間。
地下に閉じ込められたこの場所はまさに常夜の街であった。
少し歩けば女達が客寄せに、右も左も遊郭だらけ。
そして、見上げれば一人の女。
その美しさはまさに太陽のよう。この暗闇を照らす日輪の姿は人々を魅了する。
名を“日輪太夫”。
この街一番の花魁である。確かに高嶺の花と言われるのも分かる。男達が皆見上げ、
頬を赤く染めていた。しかし、いくら金を積まれても相手が誰であろうとも相手にしないらしい。
あれが、晴太の言っていたお母さん。綺麗な人。
女の私でも自然と言葉として浮かんだ。
新八達は事前に話し合った通り、情報を集めた。
銀時は普通に歩き回っても可笑しくないが、新八を始め喜杏達は吉原にいては異端な存在。それを隠す為に遊女達のように重たい着物と結い上げられた鬘を被り、身を潜めた。
今日は晴太が金を店番に渡しに来る日である。渡す前にできるだけ情報が集まればいい。
「新八ぃもっとキリキリ歩かんかい!!!」
「いや、だってこれ歩きづらいよっ」
壁に手をつきながら安定感のない新八。
それもそのはず。喜杏達は道中下駄を履いていた。
新八だけでなく、普段靴を履いている喜杏も苦労している。ちょっと歩くとこけそうになる上、いつもより高い視線、ふらつく体。一向に慣れない物ばかりである。
「……きつい」
「情けないアルな。しっかりするネ。晴太の金が無駄になってたらどうするアルか」
神楽の言う通り、時間はない。既に歩き方をマスターしている神楽が率先して情報を集めていった。
遊女の姿でいれば、遊女から情報を集めやすくなった。
収集した情報から分かったことは、やはり晴太の集めた金は全て使われていた。
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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます!遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません!続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます!一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます!成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります!よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2023年9月4日 0時