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吸って、吐き出しての繰り返し。
短くなっていく煙草を今日一日で何本見ただろうか。灰皿にある煙草の数は数えきれない。
報告書やら、確認書やら。
紙の山は一向に減ることはないが、黙々と作業をした結果であった。
いつもの光景ではある。
だが、このまま作業を進めても効率が悪い。
きりの良いところで一度休憩に入るか、と立ち上がると隊士に名を呼ばれた。
「あ?どうした」
事務作業(総悟の後始末)のストレスのせいか想像以上に眉間に皺が寄っていたのかもしれない。
隊士は肩を震わすがすぐさま姿勢を正した。
「副長に面会したいという輩がいましてご報告にッ」
「……面会だぁ?」
そんな予定があっただろうか。
「は、はい!
門の前でずっと副長に会わせてほしいと。何度門番が追い払ってもそこから動こうとしないと報告が」
一体なんだというのだ。
「……分かった。すぐに向かう」
溜息を吐き、食堂に向かっていた足を門へと向かわす。
またもや、休憩時間が遠のいてしまった。
面だけ拝んで、問題なければさっさと休憩に出よう。そして、大量の後始末を可能な限り終わらせてしまわなければ。
と思っていたのに。
口に咥えていた煙草がぽろ、と落ちた。
「……こんにちは」
「は……、てっ……なんっ」
言葉が詰まるくらい、驚きを隠せなかった。
万事屋の所の
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
土方は冷静さを取り戻し、喜杏の首根っこを掴むと屯所内に入れ、急いで取調室に入った。
鍵もかけ、扉には使用中の札を置くのも忘れずに。
煙草、と脳裏を掠めたが、餓鬼の前かと口に含むだけにした。
「で、一体何の用だ」
「……」
喜杏は返答に困っているのか、中々口を開かない。
休憩を邪魔されたこと、煙草が吸えないことなどのストレスが土方の怒りを後押ししていた。
しかし、この餓鬼が屯所に来ること自体、不思議な光景である。
かつては喜杏の経歴などを疑っていた奴らの場だ。
警戒心など簡単に振りほどけるものでもないだろう。
幾ら妖刀の件で関わったことがあっても、流石に土方もまだ疑いの目は光らせている。
一体何の用件で屯所に出向いたのか。
土方は警戒心を緩めなかった。
すると、漸く決意が決まったのか、喜杏は勢いよく頭をあげ土方の目を真っ直ぐに見た。
「わ、たしにっ」
「……？」
「剣術、教えてっ、くださ……い」
「……は」
開いた口が塞がらないとはこういうことだろうか。
続く (更新停止中)
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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます！遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (
レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません！続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます！一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます！成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります！よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見ソウ | 作成日時：2023年9月4日 0時
