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欲しい物は全て戦い力ずくで奪ってきた。

気に喰わない物も全て戦って力ずくでねじ伏せてきた人生。


愛も憎しみも、戦うことで表現する術しか知らない人生だった。



「神威、お前もいずれ知ろう」



年老いた自分が立ち止まり、振り返った時何がある。


戦いだけに身を置いた自分の中に残った物など、何一つない。
亡骸だけだ。恨み、血肉、戦場。
一生付き纏い続けるものばかり。太陽などありやせん。振るのは雨。血の雨。


本当に欲しい物が出来たときでさえ。


己は抱きしめる術も、優しく掴むことも知らない。

爪を突き立て、強引に振り向かせることしか知らない。



欲深くなればなるほど、爪は深く食い込ませてしまう。

手を伸ばせば伸ばすほど、遠く離れていく。

それはまるで太陽のように。

己の人生は憎しみと恨みに包まれているのだろう。


そう、それは生き物だけではない。

伸ばした右腕は枯れ木のように剥がれ落ちていく。




「……何故お前さえ嫌う」





幾ら伸ばしても届くことはない。


「何故お前さえ拒む」



ただ、暖めてほしかった。
冷たく、乾いていく自分の体を。自分の心を。

そして、少女の言葉をどこかでずっと信じ続けていた。
誰の上にも太陽は輝くと。




「______何故」




誰よりも焦がれていた。
男はずっと焦がれ続けた。

パキンッ、と音が鳴った。



「わしは


渇いていく」




霞んでいく視界。崩れていく体。

何も見えない。見渡しても漆黒の世界。光も何も通さない闇の中。
死してなお、この道を行くのが夜王の運命なのか。

自然と一歩を踏み込んだ。




その時、背中に強い光を感じた。
辺りは一面白く輝き、鳳仙は振り向いた。

身に覚えがあったからだ。
強く、それでも優しく導く光に。この陽は_____。



「……日輪」

いつの間に日輪の膝に頭を乗せられたのだろう。
もう開かぬことのない目はこの優しい光に導かれた。

443→←昼間に呑む酒は一味違う441



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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます!遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません!続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます!一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます!成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります!よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2023年9月4日 0時

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