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「余計な心配いらないネ。あいつは私のことなんて何とも思っていないアル。
同族どころか家族さえ、父親や妹さえ手に懸けた薄情者ネ」

「そこに部下と師匠も付け加えとておくといい」

喜杏とも十分距離が取れた。番傘を持ち直し、構える。

「そこをどくアル。馬鹿やらかした(うえ)止めんのが(した)の役目アル」

「悪いな。馬鹿やらかした上司(うえ)の尻とるのが部下(した)の役目だ」

肌がひり付くような空気が喜杏達を襲った。



神楽が喜杏から離れたのは恐らく巻き込まないため。一気に決着をつけるためだ。
相手から視線を放さない。


そして、番傘同士が激しくぶつかった。お互い一歩も引くことなく、次の一手を入れる。

相手に休む暇を与えないかのように、神楽の攻撃は続いた。

しかし、阿伏兎は神楽の縦横無尽の攻撃を全て避け、タイミングよく足で踏みつけた。
攻撃を止められ、ほんの一瞬、動きが止まった瞬間、顎に来る衝撃。

だがその反動で屋根に手を着き、阿伏兎目掛けて蹴りを喰らわす。
一発入るが、そのまま神楽の足が掴まれ、障子を突き破り、外へと投げ飛ばされた。

「か、神楽っ!!!」

「神楽ちゃん!!!!」

ここはもう既に最上階に近い。下手をすれば、そのまま地面へと真っ逆さまである。

土煙で何も見えない。
阿伏兎も飛ばした方向に視線を外さない。

すると、遅れて襲ってきた痛みと耳元から垂れる血。



ヒールの音が耳を掠める。
神楽の頭からも血が流れるが、何か吐き出した。

飛ばされる前に、神楽は阿伏兎の耳を少し食いちぎったのだ。
その証拠に、阿伏兎の左耳から流血。

初めて阿伏兎に傷を負わせた。それは奇跡でもなく、神楽の実力。

挑発的な神楽の笑みに阿伏兎は感心した。

喜杏は生唾を飲んだ。目が離せなかった。

初めて見る夜兎同士の戦いはまさに獣同士の戦いだ。
神楽の戦いは確かに何度か見てきたが、ここまで夜兎らしさは見たことがない。

きっとここでは私も新八も神楽の言った通り、ただの足手纏い。
たった数秒の交わりは周りの空気を威圧した。

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月見ソウ(プロフ) - 萩月さん» 萩月さん、コメントありがとうございます!遅れてしまってすみません。一気に読んでくださったこと、可愛いと感じてもらえてとても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (1月13日 6時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
萩月(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました、不器用ながらも喜杏ちゃんを可愛がる銀さんや甘えたな年頃の喜杏ちゃん等、ニヤケが止まりません!続きを楽しみにしてます。年明け早々色々ありましたが作者さんも無理せず頑張ってください、これからも応援しております。 (1月3日 15時) (レス) id: 18ce4c7edf (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 蛙好きさん» 蛙好きさん、コメントありがとうございます!一気に見てくれたんですか!?嬉しいです、ありがとうございます。一月下旬当たりにここに戻りたいと思ってるので、申し訳ないですがもう少しお待ちください。これからもよろしくお願いします。 (12月26日 16時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
蛙好き(プロフ) - 夜中一気に見ちゃいました、続き楽しみにしています (12月23日 2時) (レス) @page46 id: 7bb3646af7 (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - 甚嘉さん» 甚嘉さん、コメントありがとうございます!成長は特に意識して買いてるので感じてもらえて凄く嬉しいです。少し更新速度落ちてますが、頑張ります!よろしくおねがいします。 (9月25日 23時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2023年9月4日 0時

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