貴方の傍に-4-【銀魂】

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外では雨が降っている。
暫く太陽が除く気配はない。

今日で何日目になるのだろうか。新八はあの日以来万事屋に顔を出すことはなかった。

洗濯物を伸ばしながら部屋干しするが隣にいつもの気配はない。仕事を分担していても新八が一番手伝ってくれるのに。

「新八、今日も来ないネ」

「パシリの癖に無断欠勤だぁ、クビにしてやろうか」

「ねぇ銀ちゃん。アネゴもう帰ってこないアルか？」

不安そうな顔をして神楽は銀時に問う。
ぱちんとオセロの音がする。

「花嫁修業、嫁ぐ前に色々しなきゃならねぇんだろ。
なんせ柳生家っちゃ名家中の名家だからな。
玉の輿だよ」


嫁ぐ際、柳生家が新八の家の道場も援助してくれるそうだ。
膝に乗せていた手をぎゅっと握りしめ、神楽は顔をあげた。

「銀ちゃん、私のマミー言ってたヨ。
結婚する、笑ってられるのも最初のうちアル。鬼婆なることもアルネ。

でも……最後の時また笑えたらそれ上々な人生ネ」

「……結婚って」

ずっと黙っていた喜杏が口を開き、銀時はそちらに耳を傾けた。
またぱちんと音が鳴る。

「女の人にとって幸せの一つでしょ……？私はそういうの、よく分からないけど。

でも、幸せだと思うなら……あんな顔、するかな。銀ちゃん」

洗濯物を持つ手に力が入る。

「銀ちゃん、アネゴ

笑って死ねるアルか」

重い腰をあげ、自身の席へと座る。
その間に負けていた神楽はオセロを全て黒にしていた。
窓を覗いても先程と天気は変わらない。

「さぁな。何考えてるのか分かんねぇけどよ。
あの女、自分で選んで行ったんだろ。

だったら……笑うだろ、あの女なら」

脳裏に映るは涙を流したお妙。さようならと共にこぼれ落ちた一筋の涙。
その映像に舌打ちした。


「嫌なもん見ちまったぜ」





長い石階段を二人の侍は登った。
門番はその侍達を怪しげに見る。

傘を深く被り、腰には木刀。
門番は道場破りか、と問う。

「いやいや」

「道場破りなんて、そんな物騒な」

にたぁと口角をあげる二人は門番ごと分厚い門を蹴破った。
いきなりの侵入者に柳生家の門下生は木刀を手にし、駆け寄った。

「何奴!?」

「ここを柳生家と知っての狼藉か!!!」

笠を捨て、腰に差していた木刀を手にし新八は声をあげた。

「我は天堂無心流恒道館道場が当主、

志村新八!!!」

「そして俺はその門下、

悟罹羅 勲!!!」


柳生流の看板など興味の欠片もない。
二人が決闘を申し込む理由はただ一つ。


志村妙。

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