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丁度その真下で近藤は松平と共に廊下を歩いていた。
何となく自分の名が呼ばれたと思い、辺りを見渡すが誰もいない。
「どうした、近藤。
緊張してんのか?」
「いや、別に……」
「まぁ無理もねぇか。見合いなんて初めてだもんな」
人の話、一切聞こうとしないな。このおっさん。松平は思い出しながら自身の見合い話の思い出を語り始めてしまった。
手に持っていた見合い写真を開くとそこには立派で豪華な着物を着た"
「いいか近藤。見合い写真なんてアテにはならんぜ。
これもちょっとゴリラっぽく写ってるがな、実際はただの彫りの深い美人だ」
「ゴリラっぽいっていうかゴリラだよね?純然たるゴリラだよね?」
この場に百人居れば百人共ゴリラと答えるだろう。
この縁談は政略結婚を狙っているのだ。
今まで猩猩星と地球は外交で衝突を繰り返している。
「この事態を収集する為にお前が選ばれたのよ。
目には目を
ゴリラにはゴリラをだ」
ゴリラっつったぞ、このおっさん。
この縁談次第で地球の命運がかかっていることはここに来るまで何度も聞いた。
しかし、何度写真を見返しても写っているのはゴリラだ。
松平は思っているより三倍美人と思って間違いないという。
というか、ゴリラと人間が意思疎通出来ると思ってるのだろうか。
まぁもしかしたら人の言葉を話す天人ゴリラかもしれない。
「よし、じゃあ行くぞ」
いつの間にかバブルス姫が待っている部屋に着いたのか松平は障子に手を掛けていた。
失礼します、と同時に開けそこで待っていたのは。
思ったより三倍デカいゴリラであった。
立派な料亭の廊下を歩いているとお妙の視界の端にゴリラが写った。
立ち止まり、見間違えかと思い戻ろうとするとどうしたと幼なじみに声を掛けられた。
「いえ、今ゴリラがいたような……。気のせいかしら」
すると、ふっと口元に笑みを浮かべられた。
「また君は訳の分からないことを。
相変わらず面白い奴だな、妙ちゃんは」
その言葉に苦笑し、歩き出した九兵衛の背を追いかける。
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月見ソウ(プロフ) - 真代さん» 真代さんお久しぶりです!祝ってくださってありがとうございます。柳生篇はギャグも多いのに考えさせられるお話ですよね。それを表現出来てるか不安ですが、楽しんで貰えたら嬉しいです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2021年5月6日 12時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - ください! (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - 「貴方の傍に」シリーズ、一周年おめでとうございます!!物語は現在、柳生篇ですね。守りたいもの、取り返したいもののために、強敵と戦う話ですが、この戦いを通して、どう変わっていくのか、また、主人公はどうなっていくのか、楽しみにしてます。連載頑張って (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - みうしさん» コメントありがとうございます!1年も書いときながらまだ4巻なんで、申し訳ないです。嬉しく思ってくれること、本当にありがとうございます。今のうちに話を更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします。 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 一周年おめでとうございます!一年間も書き続けてくださっている月見ソウ様には感謝の気持ちでいっぱいです。この作品が更新される度に嬉しくなっています…wこれからの話の展開も楽しみです。更新陰ながら応援しております! (2021年4月28日 0時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年12月11日 23時