貴方の傍に-4-【銀魂】

グラさん、参上151 ページ1

体温計の音が鳴り、銀時が覗き込むとそこに表示されていたのは"40.0"だった。
4巻が公開されたと同時に風邪とは縁起が悪い。

「ゲホッ……」

「私のマミーが言ってたよ。
馬鹿は風邪をひかないって。
なのに何故アルか？」

「……季節の変わり目は風邪ひきやすいし」

「ねぇ何故アルか？」

「……神楽」

「銀ちゃん、何故アルか」

「うるさいんだよ、お前は。あっち行ってろ」

咳き込みながら寝返りをうつ銀時は見た通り本当にしんどそうだった。
それにも関わらず耳元で神楽は銀時に話しかけている。

これは何言っても辞めないやつだと判断した喜杏は、体温計を医療箱に直し、和室を出た。
すると、お粥が入った鍋を持つ新八が居間に入ってきた。

「喜杏ちゃん、銀さんの調子どう？」

「ただの風邪だと思う。しんどそうだし、40度あったけど」

「ただの……？
てか、神楽ちゃん辞めてあげなよ病人に」

銀時の傍に座り込み、お粥を取り分け新八は銀時に手渡した。

「……すいません。あんま食欲ないんですけど」

「食べないと治らないよ」

「そうですよ。食べて汗かいて寝る。
それが一番風邪に効くんです。

って、なんでお前が食べて汗かいてんの!?」

お玉でお粥を掬い、鍋のまま神楽はお粥を食べていた。
1人前しかないお粥は一瞬で消え、神楽の額にはうっすら汗が見える。

その額にはいつの間に貼ったのやら冷えピタが貼られていた。

うるせぇな。病人の前で騒ぐんじゃねぇよ。

叩かれているかのように頭が痛い。
二日酔いの時とは違う気持ち悪さが銀時を襲う。

すると、インタホーンが鳴った。

「あ、やべ。今日仕事入ってたんだ」

のそりと布団から出る銀時を新八は止めた。
40度も熱があるのだから当たり前だ。
そもそも、40度など高熱にしても高すぎる。

しかし、仕事を断るわけにもいかない。
貴重な仕事だ。
それに、最近急激に冷えてきた中馬鹿共に任せるのも不安なのだ。
主に馬鹿(神楽)。

「コラ」

「あぁ？」

その場を立ち上がった神楽は銀時を見下ろした。

「待つアル。
誰が馬鹿だって？」

神楽以外、嫌な予感がしてならなかった。

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