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「ほら、準備しましょ」
ニッコリと微笑むお妙に喜杏は素直に従った。
人数分の取り皿とお箸が並び、色鮮やかな料理がテーブルを飾った。
中央には鍋。こんな寒い日に鍋は最高だが、クリスマスに鍋はどうなんだろうか。
「神楽ちゃん、手を洗ってらっしゃい」
ダラダラと涎を垂らす神楽にお妙は声をかけた。
すると、玄関の扉が開いた音がした。
新八は立ち上がり、見に行くと銀時が鼻を真っ赤にし靴を脱いでいた。
「銀さん、遅かったですね」
「ちょっとな。おぉ、すげぇいい匂いするな」
「でしょ?喜杏ちゃんと二人で頑張りましたんで。
安心安全クリスマスディナーです」
「心置き無く食べれるってことだな」
「それどういう意味ですか?銀さん」
後ろにぬっと立っていたお妙により顔面から白銀の世界へと叩き込まれた銀時。
「「……」」
「さぁ、頂いちゃいましょ!折角の料理が冷めちゃう」
ジュースをコップ一杯に入れ、神楽の合図でカチンと鳴った。
「「メリークリスマス!!!!!!」」
そこからはどんちゃん騒ぎだ。
鍋の肉の奪い合い。喜杏以外が猛獣と成り果て、醜い争いを繰り広げた。
ちまちまと横目でその争いを見ながら、食べている喜杏。怖、と思いながらもそっと鍋の中の食材をお皿にのせる。
新八がマイクを片手にお通ちゃんの曲を歌ってもフル無視。時には神楽がむせたり、お妙が興奮し騒ぎ出したり、酷いものだったが、それ以上に楽しいパーティーになったのは事実だった。
「ねー銀ちゃん。クリスマスプレゼントないアルか?」
「あぁ?」
「だって、喜杏これが初めてのクリスマスヨ」
「初めてではない……」
「パーティーは初めてネ!」
「確かに」
「うるっせぇな。折角の雰囲気をぶち壊すんじゃねぇよ。大体俺がそんなもん用意してると思うか?」
「思ってないです」
「思ってない」
正直に言った新八と喜杏。
それに少し傷付いた。普段の行いが悪いせいだが。即答はねぇだろ、このやろー。
「おい。
用意してるんだなー、これが」
「「っ!!!!!!」」
何だと……!
あの銀時が用意しているだと、と衝撃を受けたような顔をされた。
キメ顔で言ったが、いくらなんでも酷くね?
銀さんそんな衝撃受けさすようなこと言った?
お妙、てめぇがなんで一番驚いてんだよ。
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月見ソウ(プロフ) - 真代さん» 真代さんお久しぶりです!祝ってくださってありがとうございます。柳生篇はギャグも多いのに考えさせられるお話ですよね。それを表現出来てるか不安ですが、楽しんで貰えたら嬉しいです。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。 (2021年5月6日 12時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - ください! (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
真代(プロフ) - 「貴方の傍に」シリーズ、一周年おめでとうございます!!物語は現在、柳生篇ですね。守りたいもの、取り返したいもののために、強敵と戦う話ですが、この戦いを通して、どう変わっていくのか、また、主人公はどうなっていくのか、楽しみにしてます。連載頑張って (2021年5月6日 3時) (レス) id: edcb4d77ca (このIDを非表示/違反報告)
月見ソウ(プロフ) - みうしさん» コメントありがとうございます!1年も書いときながらまだ4巻なんで、申し訳ないです。嬉しく思ってくれること、本当にありがとうございます。今のうちに話を更新していきたいと思ってますのでよろしくお願いします。 (2021年4月28日 17時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
みうし(プロフ) - 一周年おめでとうございます!一年間も書き続けてくださっている月見ソウ様には感謝の気持ちでいっぱいです。この作品が更新される度に嬉しくなっています…wこれからの話の展開も楽しみです。更新陰ながら応援しております! (2021年4月28日 0時) (レス) id: f1ae5cae79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年12月11日 23時