貴方の傍に-4-【銀魂】

164 ページ14

「ぐぇふ!!!」

倒れてしまったおばさんを神楽は見事抱き抱える。

「アララー、もう潰れちゃったぜフゥー」

「いや、飲んでた描写一切ないやん。鳩尾キメてたやん」

銀時は勝男に(しつこく)お酒の提供を勧める。

金を絞り出すかのようにひたすら焼酎やらドンペリやら口に出していく銀時。
横では、喜杏がドンペリ二本を手に持っていた。

「なんやねんほんま。あー話戻すで。
狂死郎はん、つまりな、オタクのツレ怪我さしとーないんやったらわしらの要求飲めっちゅー話や」

懐から1本煙草を出す仕草に神楽はスっとライターを持ってくる……、と見せかけて火打ち石を持ってきた。

「悪い話やないやろ。
ほんだら、用心棒でもなんでもしたる」

カンカンカン!!!と何度も響き渡るが、煙草に火が灯ることはない。

「言ったはずです。僕らは貴方達のような人達の力を借りるつもりはない」

「ほぅ、ほなツレがどーなっても……いっ!!!」

神楽は顔面に火打ち石をぶつけるが謝ることなく煙草に火をつけようと必死だった。

「ちょっともう痛いし五月蝿い！ライターないなら貸したるから!!!」

「いやいいです、プレゼントとか……。重た」

「あげたんちゃうわ!!!」

すると神楽は火打ち石でライターを破損させ、粉々になって散っていくライターに勝男は発狂。

真剣な話をしているのに完全に邪魔してくる(自称)クラブトップ4ホスト。

痺れを切らした勝男は立ち上がり、八郎の頭を掴み、地面へと叩きつけた。
手首を踏み、自身の刀を取り出す。

「あぁ、もう分かった。ほな、この街で生きてくゆーのがどんだけ恐いか教えたるで」

何をするか一目瞭然。狂死郎は慌てて駆け寄ろうとするが、溝鼠組の連中に止められる。

「今更遅いで。お前らとわしらじゃ覚悟がちゃうちゅーこと……

思い知れやぁぁぁ!!!」

ボキリ。

斬った音ではない。ポロリと刀が床へと落ちていく。

「なぁ、おい。切腹って知ってるか？

俺達侍はなぁ、ケジメつける時、腹切んだよ」

にやつきながら言う銀時に手首に感じる痛みと共に汗が一筋垂れる。

「なんや、誰やねん。

何しとんじゃワレェェェ!!!」

背後から二人、銀時に殴りかかる。

「喜杏ぉぉぉ!!!
ドンペリ3本入りまぁーす!!!」

はーいとやる気のなさそうな声とは反対に新八と思いっきりドンペリを銀時へと投げ渡す。2本掴むと二人の顔面に瓶ごと叩きつけた。
最後の1本を掴んだと同時に目の前にはアイスピック。

「そう上手くいかんで、世の中は」

165→←163

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す