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あちこちに屋台があり、神楽はどんどんご飯を買っていき喜杏と新八に渡していった。
新八は保護者のように見守る。

「やっぱり祭りのご飯は一味違うネ」

「食べづらい……」

「それが醍醐味ヨ。片手にビール持って歩いて回る。
これが一番ネ」

「それは銀ちゃんでしょ」

こうして見ると本当に二人は姉妹のように見えた。
新八は微笑ましくおもっていると、急に神楽が足を止めた。

新八も不思議に思い神楽が向いた方へと目を向けると、そこには射的の係を任されていた長谷川が立っていた。

「喜杏、このおっさんマダオって言うネ」

「……マダオ?」

「銀ちゃんと似たようなもんアル。『まるでダメな男』略してマダオ」

「チャイナ娘、説明酷い」

新八は呆れながらも長谷川に目を向ける。

「就職先見つかったんだ。おめでとうございます」

「そうなんだよ。どうだい?一回やっていかない?」

神楽はお金を払い、コルクガンにコルクをセットした。
当てれば何でもあげると言った長谷川に、神楽は長谷川に向けて発砲した。

パリンと音を立てたのは長谷川のグラサンだった。

「よこせよ、グラサン」

「いや、違……。狙うのは景品……」

長谷川は注意しようと口にしたが、その前にまた発砲された。

犯人は神楽ではなく、横から発砲した沖田であった。

「腕時計ゲーッツ」

それから二人は息ぴったりに長谷川の私物にどんどん当てていく。
新八は巻き込まれないように喜杏を引っ張って離れる。

「……射的ってこんなの?」

「絶対真似しちゃダメだからね」

喜杏が知っていた射的とは違いドSが加わった射的となっていた。

持っていたりんご飴を口に含むと、甘味が広がっていた。

あま……。

先程から新八の温かい目を気になるが。


横目ですれ違う人達を見ると、そこには笑顔しかなかった。
ずっと遠くで見ていた祭りは少々思っていたのと違うが、自分もこの中にいると考えると心が満たされていた。

再び口に含もうと運ぶと背中に何か走った。

鋭い殺気。でもほんの一瞬だった。

振り向くがそこには先程と変わらない光景が写っていた。
蒸し暑いから流れる汗ではなかった。
とても寒気を感じた。

「喜杏ちゃんどうしたの?」

新八は気づいてない。

「……ううん。何も」

花火が上がり始め祭りは終わりにと近づいていった。
すると広場の方から爆音が聞こえた。

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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

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