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銀時が足を向けたのはある男がよくサボりに来る団子屋だった。やはり今日もここでサボっていた。
「旦那、奇遇ですねぇ」
「よう、総一郎君。ちょっと聞きたいことあるんだけど」
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少女は暗い路地の隅で盗.んだ握り飯を食っていた。
昼は人通りが多い江戸は少女にとって息苦しくて仕方がない。仮眠を取れるとしても深く眠りにつくことなど出来はしない。
しかし、最近は貴重な仮眠でも寝付きはさらに悪いものだった。
原因は数日前に出会った男のせいだろう。男の言葉が頭から離れないのだ。
今だってそうだ。少しでも気を緩めれば、直ぐに思い浮かんでしまう。
唇を噛み締め、握り飯を潰しそうになるが心を無理矢理落ち着かす。再び握り飯を口にするがまずい。とてもまずい。何も味を感じない。
いつからこんな風に生きているんだろうか。物心ついたときから浪人を殺.してきた。
罪もない人を殺.す浪人がいれば、薬を売っている浪人がいれば、女を襲っている浪人がいれば遠慮なく殺.めた。
しかし、人の目というものは怖いものだ。血に濡れた自分が映ればその目には恐怖しか感じない。
でも慣れた。慣れるしかないのだ。慣れたはずなのに。
「……大丈夫」
少女は立ち上がり、暗闇にと姿を消した。
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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時