憧れは原動力33 ページ33
少女は初めて見る景色に心を踊らしていた。
目に焼きつけるかのようにじっくりと見て回り公園へと着いた。
誰もいない公園の"ブランコ"というものにゆっくり座る。
座った瞬間グラグラと揺れ、こんなにバランスが悪いものなのか、と実感する。
すると、自分と同い年くらいの少年がこの公園は少年の縄張りだといった。
遊びたいならバックリマン?のシール3枚と上納しろと言う。
「そんなものが城下では流行っているんですか」
やはり知らないことだらけだ、と改めて思った。
少年もあやふやなのかばっくり、どっきり等という。
結局どれが正しいのか分からずに困っていると、少年の頭は白い毛玉に食われていた。
毛玉の正体は大きな犬だった。
共に居た飼い主だと思われる二人の少女の内一人はかぶき町の女王だそうだ。
そうだ、お礼を言わないと。
「助かりました。かぶき町の女王さん。
ありがとうございます」
これは私が初めて城下へと家出した時のお話です。
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定春の散歩の途中で立ち寄った公園に、綺麗な着物を着た少女がいた。
少女はいわば世間知らず、箱入り娘であった。
神楽が食べていた酢昆布の存在も知らなかった。
「城下の人はこんなものを食べているんですね」
「お嬢さん他所者アルか?いい匂いする」
「……綺麗な着物」
少女が指を差した先には城があった。
「へぇー、でっかい家アルな」
喜杏は思った。
……お姫様では?
チラリと横目で少女を見ると綺麗な服、枝毛のない綺麗な髪、そして極めつけはこの世間知らずさ。
……お姫様だ。
何故こんな所にいるかは理解出来ないが。
「何かお困りだったら相談乗るヨ。私達万事屋ネ」
「ふふ、うーん困り事。じゃあ……
今日一日、二人ともお友達になってくれますか?」
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同時刻、真選組は人探しをしていた。
上からの指令でお姫様が家出をしたので、一刻も早く探し出し連れ戻せと。
この暑い中、江戸中を探し回っている。
土方も頭を抱えていた。
余計な仕事を増やしやがって。
「立場が変わりゃ悩みも変わるってもんだ」
近藤は暑いからか隊服をノースリーブにと変えていた。
するとノースリーブ姿の山崎が情報を入手したのか駆け足で向かってきた。
「どうした山崎?」
「目撃情報が!どうやら姫様、かぶき町に向かったそうで」
よりによってタチの悪いかぶき町であった。
土方は即刻かぶき町へ向かえと指示を出した。
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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時