検索窓
今日:14 hit、昨日:39 hit、合計:166,911 hit

25 ページ25

バシャリと冷たい水を顔にかけられ、漸く新八の意識が覚醒した。

どこだ、ここ。

「全く、こんなに若いのに海賊に捕まるなんて可哀想にねぇ」

耳障りの悪い天人の声によって自分は捕まったのだと理解した。

そうだ、神楽ちゃん……!喜杏ちゃんは……!

顔を上げるとそこには天人に吊るされ、今にも落とされそうな神楽が映った。
神楽も自分と同じように後ろで手を縛られ抵抗出来ない状態だ。

天人は神楽と桂の居場所を交換条件として出てきたが、僕達には何のことだかさっぱりだった。

桂の居場所を吐けと言われても、顔を掴まれ投げられても知らないものは知らないのだ。

「神楽ちゃんを離せ!ここは侍の国だぞ!

お前達なんか出ていけ!!!」

天人達は嘲笑う。

侍などこの国にはもういない、と。

新八に意識が向いた天人に神楽は体幹を使い、蹴りを入れた。
その弾みで神楽は天人から逃れたが、その体は落下していった。

「足でまといになるのはごめんヨ。ばいばい」

神楽は重力に身を任せた。


神楽ちゃ……!


「待て待て待て待てェェェェ!」

自分の声が遮られるほどの大きく自分より低い声が響いた。

あぁ、いつも僕達を助けに来てくれる。
普段はだらしないくせに……!

銀色の侍は船の側面をロープにフックをかけ全速力で走り、神楽の体を見事に受け止めた。

しかし着地は失敗。
だが、この人らしいのだ。

直後、船内からは爆発音。
灰色の煙が上がっていた。
桂が爆弾を投げ天人を引きつける。

「なんだこの餓鬼ィ!」

しかし、そこには喜杏が待ち構え無防備な天人に懐刀を鞘に収め一撃をくらわしていた。
武器を持っていない天人など彼女にとって楽な相手だ。

「喜杏ちゃん……!
って痛い痛い痛い!!!」

無事でよかった……、と思った瞬間。
喜杏は新八の腕を掴み銀時の方へ走り出す。
後ろで拘束されていた新八は引き摺られていた。
喜杏は先程天人からスった鍵で神楽と新八の拘束を解いた。

「こういうの、得意」

真顔で言う喜杏に新八は怖く感じた。


天人は言う。
春雨を敵に回した、と。

しかし銀時にとってはどうでもよかった。

「俺の剣が届く場所は、俺の国だ」

26→←24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
204人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。