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少女はじっとこちらを見ていた。

新八は諦め、少女に向き直る。
よくよく見ると少女の容姿はとても整っていた。
前髪が少々長いが目も大きく、銀時と違い胸元くらいまである髪もサラサラのストレートヘアだ。服は銀時のを来ていた。
可愛らしいがどこかミステリアスな雰囲気がある。

「志村新八っていいます。その、名前聞いてもいいかな?」

「あ、俺も聞いてねぇわ」

「おい、居候どうこうよりそっちの方が先だろ」

少女は目を少し逸らし、口を閉ざした。
まさか名前がねぇのか?と銀時は一瞬考えた。今まで夜の世界で死に物狂いで生きてきたやつなのだから。

「な、名前は……」

あんのかい。
しかし少女はそう言って変な間が空いた。
新八と銀時に何故か緊張が走る。

「多分、ききょう……」

小さな声で少女はそう答えた。新八は心の中でききょうちゃんと、呟いた。とても少女らしいと感じた。

「そうか、ききょう」

新八は銀時の方をちらりと見て少し驚いた。
銀時は何処か懐かしむような顔をしていたからだ。

何か思い入れでもあったりしたのだろうか。
新八は他にも気になったことがあった。
踏み込んでいい領域かは分からないが聞いてみた。

「どうして多分なの?」

「おい、ぱっつあん。そういうことは聞かねぇってのがお約束だろ」

「あんたに言われたくねぇよ」

ききょうは先程直した懐刀の持ち手を二人に見せた。そこには『喜杏』と掘られていた。
喜杏はこの懐刀だけはずっと手放さなかった。
保証はないがここに掘られている名前が自分の名前だと信じてきた。


持ち物には名前を書かないといけないのだから。


銀時はポンと喜杏の頭に手を乗せた。

「いい名前じゃねぇか?掘ってくれた奴に感謝しねぇとな」

喜杏は少し目を開き、ゆっくりと頷いた。


さてと、神楽ちゃんを起こして朝ご飯にしようかな。
今日から4人分作らないと。

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月見ソウ(プロフ) - 偃刄将さん» ありがとうございます!そう言ってもらえて恐縮です。これからもよろしくお願いします! (2020年4月30日 14時) (レス) id: 5772551842 (このIDを非表示/違反報告)
偃刄将 - 初めまして、作品読まさせて頂きました!面白いです、これから更新頑張って下さい!! (2020年4月30日 5時) (レス) id: 407c15182f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見ソウ | 作成日時:2020年4月27日 22時

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