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Aside
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スタッフさんに聞いた病院に向かおうと会場の外に出ると、よく知った声に呼び止められた。
そ「A、こっち」
『そらるさん!?
撮影は終わったの?』
そ「さっき終わって、みかの所も行ってきた。
行くぞ」
直ぐ近くにある病院に着いて館内に入ろうとすると、そらるさんが私を制した。
『そらるさん?
…え、駐車場!?』
そこには、俯いたみかがベンチに座っていた。
『みか…、倒れたって』
そ「ちゃんと自分の言葉で言えよ、みか」
それでも、未だ私の顔を見ないみか。
み「…嘘だよ、倒れてない」
嘘…、倒れてない…?
状況が理解できなかった。
『…どうして、嘘なんてついたの?
今日がまふくんのライブだって知ってるよね!?
どうして仕事の邪魔ばかりするの!?』
みかは大きく深呼吸をした。
み「知ってるよ!!
ライブに出て欲しくなかったの!!」
「…何、言ってんの?
今日の為にまふくんがどれ程の準備をしきたか分かってるの!?
まふくんだけじゃない、ライブに関わる多くの人が今日という日を成功させる為に努力してきたの、分かるよね!?」
み「…まふくんが遠くに行っちゃうみたいで嫌だったの!!
Aは良いよね、まふくんとそらるさんに引っ付いて、一緒に居られるんだから!!
私はこの足のせいで、全然一緒に居られないのに!!」
これが、みかの本音なの?
自分の為なら、まふくんに迷惑かけても良いってこと?
そ「やって良いことと悪いことがあるだろ、みか。
…でもお前の気持ちも分かる、寂しかったんだろ」
なんでそらるさんまで、そんな甘いことを言うの?
今まで我慢してきた分、私の怒りは爆発した。
『…それで済まないでしょ!?
卑怯者!!
そんな古傷で、いつまでも心を縛ってる!!』
「やめろ!!」
普段女の子みたいな声帯の彼とは、別人のような声がした。
一瞬、誰の声か分からなかった。
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てぃー(プロフ) - shioriさん» コメントありがとうございます!そんなこと言っていただいたのは初めてで、とても嬉しいです!いつになるかは分かりませんが、次回作で戻ってきたらまたよろしくお願いします♪ (2020年2月2日 8時) (レス) id: aa4b1146ea (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - お疲れ様でした!てぃーさんの作品めちゃくちゃ大好きです!また、戻ってきてくれること願ってます! (2020年2月1日 9時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てぃー | 作成日時:2020年1月13日 21時