花弁がよんじゅうご ページ9
◇◆
「アァ!!クソっ!」
突然のことすぎて、動けないでいると伊之助が横にずれた。私のすぐ横に、伊之助がふわりと着地する。
「てめぇ!!邪魔なんだよ!この弱味噌がッ!!」
『ご、ごめん?』
あまりの剣幕に、申し訳なくなってきてとりあえず謝った。
「伊之助大丈夫か!?……って、A!?」
伊之助の飛んできた方から、聞き覚えのある焦った声が聞こえた。
『炭治郎!!』
私の心のオアシスである、炭治郎がいた。
「Aどうしてここに?!」
『私も聞きたい!!』
私の言葉に炭治郎が首を傾げる。
(ん?待って。ここに炭治郎と伊之助がいるってことは、)
「ガァァァッ!!」
『ひぃぃっ!やっぱりいたよー!!』
馬鹿でかい化け物(お父さん)が目の前で吠える。ーー神様ちょっと、性格悪すぎない??なんで、ピンポイントで主要場面に遭遇するの、私。
「はっ!A危ない!!」
『へ?』
まだ見ぬ、神様に文句を言っていて気が付かなかった。炭治郎の声で我にかえると、目の前で緑と黒の市松模様の羽織が舞った。刃と化け物の拳が交わる。
「A!大丈夫か?!」
『ありがとう!!炭治郎、大好きっ!!』
「なっ!!……うわっ!」
炭治郎が私の方を勢いよく振り向いたせいで、バランスを崩したのか1度化け物から離れた。
「だから!!嫁入り前の女の子が、簡単にそういうことを言うなっ!!」
そしてものすごい形相で私に詰め寄ってきた。
あー、このやり取りも懐かしい。懐かしさで泣きそう。
『耳まで真っ赤にして、そんな怒らなくても……思ったこと言っただけなのに』
「〜っ!!Aの正直な所はいい所だと思うが、程々にしてくれ!!」
(えぇ、めっちゃ怒るじゃん、炭治郎。久しぶりに会ったんだから、せめて君だけは優しくしてよ……)
「おい!そんなことより、あのデカブツまたくるぞ!!」
今の今まで待ってくれてた化け物って意外と律儀なんじゃないかと思う。
「消えろ”!!」
『全然律儀じゃなかったわっ!!』
鬼の拳を避けると、後ろでドンッとすごい音共に地面が割れた。
『……いやぁぁっ!!もう帰る!!不便だったけど、安全だった山に帰るー!!』
「さっきからうるせぇんだよ!!オマエ誰だよ?!」
空に向かって叫んでいると、隣から伊之助に怒鳴られた。
『なにその初めてあったみたいな対応!!もっと優しくしよ!!』
「オマエみたいなの知るか!!」
『嘘でしょ!?』
どうやら、この猪の記憶力は破壊的らしい。
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美穂(プロフ) - 凄く続きが気になります (2022年12月1日 22時) (レス) id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 面白かったです!! (2021年10月10日 16時) (レス) @page32 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして!お話面白かったです!更新しないのですか?続きが気になります! (2020年9月8日 23時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
床に落ちてるゴミ - あれ?更新しないのですか?とても面白かったので続きが読みたいです! (2020年9月7日 18時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
日和 - 凄く面白かったです!ヽ(*´∀`)ノ続きが気になります!ゆっくりでいいので更新待ってます! (2020年9月4日 15時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこもち | 作成日時:2019年6月27日 23時