魂の繋がり【XANXUS】 (ページ8)

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繋がり 6 【夢の中】ページ8

出会ってから半年程は、少年は静かで、自己主張の乏しい性格であった。

急に連れてこられて、今までと全く違う生活で、

何より自分の実の母親と離れ、父親の本妻と過ごさなければいけないこの状況。
父親も仕事で忙しい。
見知らぬ言語を話す人が周りに沢山いる。

我儘は言えず、
あまり迷惑をかけてはいけない。
追い出されないように、
徹して空気であろうとする。

そう、怯えているのだ。無理もないこと。

そんなあの子に最優先すべきことは、私と今の状況に慣れてもらうことであった。

『XANXUS。』
そう私が声をかければ、少し肩を揺らし、赤い目線をこちらへと向ける。
今、私達は屋外にある長椅子に座り、本を読んでいた。読み聞かせていたの方が正しいだろうか。

二人で肩を並べる、簡単なことだが、ある程度警戒を解き、その行為を行えたのは、つい数日前のこと。
寄り添い、笑いかけ、自分に敵意はないと示す。
余裕を持って、時に大げさに、時に控えめに、
一歩一歩、歩み寄る。

『……XANXUS。次はこのお話にしましょう。』
私が先程まで開いていた本を閉じ、新しい本を見せると、小さく目を輝かせ頷く。

「…………この話好き…。」
なんとも愛らしく、自分の気持ちを伝えてくれた。
男の子だが、まだ未熟で可憐な少女のようである。

その表情を、言葉を初めて受け取った時のことを私は今でも忘れられない。