魂の繋がり【XANXUS】 (ページ7)

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繋がり 5 【夢の中】ページ7

「この子はXANXUS。私の息子だ。」

黒い髪、赤い目、小さな四肢。
揺れる赤いマフラーを握り、少し怯えたような、私の様子を伺いながら見上げるその子を、あの人は自分の隠し子だと言った。

曰く、昔関係を持った女性との間に生まれた子。
曰く、引き取って育てるのだという。
曰く、私たちの子供として育てると。

それを、平然と妻に対し言ってのけたあの人の精神を疑う人もいるだろう。私も内心疑った。
しかし、それに対して私がしたのは"そうですか、と呟きあの子に笑いかけること。
私も私で大概である。

しかし、私の中に、あの人への嫌悪も、怒りも、そしてその女性への嫉妬も、この赤い目の少年を邪魔と思う感覚も生まれなかったのだから仕方ない。

『XANXUS。私の名前はマリア。
これからよろしく、歓迎するわ』
そこにあるのは、少年への興味と好意。

そう言い、手を差し出した私を見て、驚愕したような困惑したように目を泳がせる子。
私とあの人を交互に見つめている。

邪魔モノ扱いされることを覚悟していたのだろう。
小さいこの子は、どれほどの覚悟でこの場にいるのだろう。私はこの子の母代わりになれるだろうか。

「二人とも、仲良くしてくれると嬉しいよ」
あの人にそう勧められ、おずおずと戸惑いつつ、握り返してくれた手の小ささを私は今でも忘れられない。