君が助けてくれなくても【爆豪勝己】 (ページ34)

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番外編～モブ子のお話～ページ34

爆豪勝己くん

私は幼稚園の頃から、貴方が好きでした

人一倍負けず嫌いな貴方は、色々なことに挑戦して、失敗してもめげないその背中に
憧れをもったのがきっかけでした

小学校に上がると、見事に六年間クラスが離れてしまいました
ですが、目立つ貴方はどこにいてもすぐにわかりました

あまりに出来すぎる貴方に私なんか釣り合わないのは最初からわかっていました

だから、話しかけたりはせずに、遠目からいつもあなたを見ていました

中学に上がり、やっと同じクラスになれたかと思えば、貴方はいつの間にか隣のクラスのAさんのことばかり追いかけていました

Aさんのことが気になり、少しとなりのクラスを覗いてみた私は、すぐに納得がいきました

少し明るい髪にすらっと長い足
可愛い顔にそれはずるいと思ったくらいです

何でもできる勝己くんのとなりには
いつの間にかAちゃんがいました

それを見て、何故か胸が痛みました
遠目から見れれば良いと思っていたのに
隣にいるのが私ではないことにショックを受けたのでしょうか

そんなこと叶わない、なんてとっくにわかっていたはずなのに

夢みたいなシンデレラストーリーを歩くのは
私ではなく、可愛いAちゃん

それに比べて私は、、、

ある日、Aちゃんが女の子達に
水をかけられているところを見てしまいました
そして、不覚にも良い気味だと

ざまあみろと思ってしまったのです
そして、そばを通りかかった勝己くんが
Aちゃんに気付かないように、

勝己くんに話かけ、職員室で先生に呼ばれてるよと嘘をついたのです

そんな嘘、すぐばれるけど、所詮私は勝己くんにとってただのモブ

すぐに忘れてしまうでしょう

そんなことをした自分が醜くて、嫌悪感が強くなって、ついに抱えきれなくなってしまいました

Aちゃんに最低なことをした
二人が別れてしまえば良いと不覚にも思ってしまった

何もできない、私なんかがそんなことを
思う権利なんかないのに

そんな自分が嫌だったはずなのに
勝己くんと同じ学校のヒーロー科に入学してしまった私は本当に最低だ

そして、あの日も複雑な気持ちを持ちながらも遠目から爆豪くんを見ていました