[完結]それでもあなたが、【urt】 (ページ26)

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あれから数日が経った。

数日前と変わらず、浦田とはなかなか話せていない。

変わったことといえば、手紙が増えたことくらい。

必ず僕のものにする

から始まった、謎の手紙。

君のことを愛してる

あんな男に渡さない

君は僕のもの

毎日1枚、手紙が送られてきていた。

ちょっと怖いけど害はないから口外はしていない。

ぱく、と朝にコンビニで買ったサンドイッチを食べる。

浦田は1人でお昼を買いに行ったみたいだ。

隣のデスクに人がいないだけで寂しい。

あー、ハム美味いなー。

そんな脳死的な考えを持っていると、オフィスの入口付近が少し騒がしくなってきた。

「わたるさんっ！お昼ご馳走様でした！」

「あー、うん」

「またお願いしますね！」

「はいはーい。…それじゃ」

「はいっ」

ぼとっ。

マヨネーズがデスクに落ちる。

う、浦田と……誰…？あれ。

小柄な女の子で、ピンクのワンピース……あ！あの時の…！

いつの日かの休日に見た、浦田の横にいた女の子。

な、なんでここに…？

じっと入口を見つめていると、その女の子と目がパチッと合う。

そしてにやり、と怪しく微笑まれた。

「なっ…！」

ぽかーんとしているうちに浦田がデスクに戻ってくる。

「…おい。マヨネーズ垂れてんぞ」

「えっ、あ、っん…」

ぐい、と唇の横を指で強く触られた。

浦田の親指には白いマヨネーズが。

「ふっ、食べるの下手かよ」

「うるさい…！」

それをぺろり、と舐める浦田。

妙に色気があってムカつく。

「ていうか、誰？あの子」

「受付の人。昼誘われたから食ってきた」

「受付の子…へぇー…」

受付嬢か。

確かにあんな子いた気がする。

「それよりお前も…！」

「なに」

「…なんでもねぇよ」

「なんなのよ」

浦田が何かを言おうとしたけれど、途中でやめてしまった。

気になる…。

「つか、ちょっと飯付き合え」

「えっ、お昼食べたんじゃないの？」

「ばーか、夜だよ」

「あぁ、夜…」

あれ、なんだかちゃんと話せてる？

久しぶりだけど、普通に話せてる。

どっちから話しかけたっけ。

……ま、どっちでもいっか。

「あのバーでいいか？」

「うん。じゃあ仕事終わってから、また」

「ん。今度はマヨネーズ零すなよ」

「零さないから！」