[完結]それでもあなたが、【urt】 (ページ15)

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「うっさ…お前朝から元気な」

「げ、元気も何もだって…！」

「落ち着け。ほら水」

のそのそと寝室に入ってきた浦田は部屋着で、水を入れたコップを持っていた。

ん、と渡された水を受け取り、1口飲む。

…あれ、浦田…案外普通…？

「どーせ、勘違いでもしてんだろ？」

「かん、ちがい？」

「順を追って説明するから。座るぞ」

「あ、どうぞ…」

浦田はベッドに腰掛け、こちらを見る。

そしてゆっくりと口を開いた。

「つ、つまり…？鍵をあのバーに落としてきて浦田の家に仕方なく連れて来たら私がゲロってスーツ汚した…と…？」

「そういうこと」

先程とは違った意味で顔が青くなる。

"あー、えー"と声を出しながらとりあえず正座をした。

「誠に申し訳ございませんでした…」

「ハハ、おもろ」

「ぐぅっ…」

浦田に向かって土下座をすると、頭の上から笑い声が降ってくる。

浦田に散々迷惑かけて勝手に一線越えたと勘違いして。

ごめんなさい、と謝ると頭をガシッと掴まれた。

そのまま顔を上げさせられる。

「これは貸しだから、な」

「ひぇ……うっす…」

ニッコリと素敵な笑顔でそう告げられた。

貸し…貸しね…貸し。

え、な、何で返そう。

「ま、今日土曜日だしとりあえずゆっくり休めよ。二日酔い辛いだろ」

「え…浦田が優しい…」

「ぶっ飛ばすぞ」

早く寝ろ、と肩を押されて強制的に寝転がる体勢になる。

すなわち押し倒されるような形なわけで。

「ふ、顔赤くしてんじゃねぇよ馬鹿」

「うっさいクソダヌキ！！」

隣にあったクッションをぶん投げ、布団を勢いよく被った。

……寝れるわけないじゃん、バカ。