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「ねぇ、変じゃない?」
業『ん?大丈夫。』
2週間後。
同窓会の日がやってきた。
業も参加するとの事で、2人で集合してから行くことに。
いつものラフな格好でも良いと思ったけれど、仕事帰りの業はスーツだし、前に見せてもらった集合写真では女子はある程度のオシャレをしていた。
だから少し前に自分へのご褒美で買った淡いピンク色のワンピースを着ていくことに。
25でこういう服を着るのは少し抵抗があったが、業が"良いんじゃない?"と言ってくれたから即これに決定。
自分の意見より業の意見を尊重するなんて、自分でもびっくり。
業『ほら、行くよ。』
「待って…!」
玄関で早く、と急かす業。
私は戸締りを入念にチェックし、ヒールに足を入れる。
最後に玄関の鍵を閉め、少し肌寒い外へ出た。
カツカツコツコツ、とヒールの音と革靴の音が街中に響く。
時々すれ違う女性達の視線が私達を捉える時がある。
そりゃそうだよね、業だし。
私が傷つく権利はない。
業『ここじゃない?』
「わ…高いビルね…。」
街中で一際目立つ高いビル。
磯貝くんが送ってくれた写真と全く同じの建物だ。
久しぶりに会うの、なんだか緊張するな。
そんな私の気持ちに気がついたのか、業が自らの手を差し出してきた。
「…!」
業『エスコートされるの、嫌?』
「嫌、じゃない…。」
差し出された手に右手を乗せ、ぎゅっと握る。
ゴツゴツとした男らしい彼の手は、少しひんやりとしていた。
ポアロで業と会ったあの日から、距離が近い気がする。
私は、嬉しいけれど。
業『ん、行くよ。』
「うん。」
ドアの取っ手を押し、ロビーへと入る。
中には見知った顔が数人。
会場はこのビルの5階のはずだけど…。
彼らの顔を見ていると、業に手を引かれる。
業『受付。』
「あ、うん。」
ロビーに居た受付嬢さんに"椚ヶ丘中学同窓会"という言葉を伝えると、名簿を渡された。
今来てるのは…磯貝くん、メグ、莉桜、愛美ちゃん、前原くん、岡島くん。
ここに名前は書かれていないけれど、ロビーに居た人達は寺坂組の人達だ。
名前を書き終わった業からペンを受け取り、赤羽業という文字の隣に若林Aと書く。
業『寺坂達に挨拶する?』
「したいけど…何か喧嘩してるみたいだし先会場入ろっか。」
ギャーギャーと言い合っている彼らを他所に、私達は5階の会場へ向かった。
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ヒヨコ(プロフ) - ホントにおもしろかったです!次の作品も楽しみにしてます! (2020年6月14日 19時) (レス) id: a71ea1e4cf (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - 夢主のファーストキスってビッチ先生なんじゃ (2020年6月1日 18時) (レス) id: 348cf1e7b1 (このIDを非表示/違反報告)
Mocha(プロフ) - 面白かったです! (2020年5月13日 21時) (レス) id: 87128bc86a (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - あのすみません、16の、カルマのセリフの「どうやらちがうみたい」が「どうやるちがうみたい」なってますよ。 (2020年5月5日 17時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - *利茄*さん» 何の小説ですか?題名、教えて下さい! (2020年5月4日 12時) (レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年4月3日 17時