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女子『あ、志麻くんおかえりー!』
教室に戻ると、周りに集まってくる女の子達。
『…ごめん、みんなに言っといてくれんかな?今日はカラオケ行けんなった、って。』
女子『えぇー。』
『また今度行くから、な?』
女子『わかった!』
ぞろぞろと帰っていった取り巻きの子達。
やっと騒がしいのが直ったわ。
ふとAの席を見ると、機嫌が少し治ったんか、瑠衣ちゃんと普通に話しよるAが。
ま、邪魔せん方がええかな。
俺は静かに自分の席に座った。
…こっからは、ちょっと昔の話。
小4の頃やったかなぁ。
「し、ま……ゴホッ…。」
『もー、昨日俺に傘貸して帰るからやん。家隣やのにあほやなぁ。』
「ごめっ…。」
大雨やったのに、傘を忘れた俺に傘を貸して走って帰ったA。
次の日には38.5とかいう高熱も出てしもて。
休みの日やったから、俺が看病に来てる。
『ちょ…泣くなや…。』
「泣いてない…見んなっ…。」
この頃から気が強かったA。
けど、こうやって熱出たり風邪引いたりしたら時々素直になるんよなぁ…。
『俺、なんか母さんから貰ってくる。 』
立ち上がって部屋を出ようとすると、腕を掴まれた。
「嫌や…1人にせんといて…しま…。」
ほら、こんなふうに素直になる。
こんなAやから、ずっと前から目が離せんかった。
『しゃ、しゃーなしやで。』
「あ、りが…と…。」
照れ隠しにクシャッと頭を撫でると、気持ち良さそうに擦り寄ってきた。
今思えば、小4で随分ませたことしてんなぁ、って思うけど。
…こん時からかな。
Aの弱った一面をもっと見たいって思ったんは。
そんで、中学ん時には機嫌が悪くなったら誰もおらん音楽室に。
高校になってからは、4階の空き教室に行くようになった。
これを知っとるんは、俺だけ。
先生『〜!……きっ!…月崎!』
志麻『はいぃっ!?』
先生『これ、答えてみろ。』
黒板を手でバンッ!と叩く先生。
あー…寝てしもとったか…。
って、なんやあれ簡単やん。
『〜〜〜です。』
先生『くっそ…。正解だ。』
くっそ、て。
本音出てしもとるやん。
席に座ると、後ろから教科書で頭を叩かれた。
これで後ろ見たら補習食らうやろなぁ…。
俺はノートの端をちぎり、あっかんべーをしたニコちゃんマークを書いて後ろの机に置いた。
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志音@リス,ラ, - 志麻くんカッコいい…上手くかけてますよ!(誰目線)めっちゃ志麻くん!(?)更新待ってますね!! (2019年4月7日 11時) (レス) id: 0f8bb6f46c (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - 宇宙人(^q^)さん» まじですか…。やっぱり在り来りな名前じゃ被っちゃいますね…。 あ、頑張りますd('∀'*) (2018年8月8日 7時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙人(^q^)(プロフ) - どうでもいいことやけど「結愛」てっ人学校におるw あっ これからも頑張ってください(^-^)ゝ゛ (2018年8月8日 1時) (レス) id: 5735cf3e3a (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - まお@USSS.loveさん» まーしぃ上手く書けるかな…。不安なのですが、志麻リスさんの子達に納得して貰えるような物を書きたいと思います! (2018年8月6日 13時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
セツ(プロフ) - あいら @crew⇔志麻リスさん» ありがとうございます!イケメン系の女の子書くのは初なので、頑張ります! (2018年8月6日 13時) (レス) id: 387ee06ba6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年8月5日 16時