| ページ6
江戸川コナン side
恐怖が改めて押し寄せてきて、急いで走り外に出る。
振り返って廃ビルを見ると、入った時と何も変わっていなかった。
「どういうこと…?」
となりで灰原が呟く。
確かにあの暗闇はこの廃ビルよりも大きく広いものだった。
なのに外観は何も変わっていない。
3人はパニックになりかけているし、何の確認も出来ないし…。
「っ、とにかく眼鏡の人を探そう」
「うっ、うん…!」
震える歩美の手を取り道を歩く。
光彦と元太は多少落ち着きを取り戻しているみたいだ。
「あ…!あの人じゃないですか…!?」
廃ビルの周りを歩いていると、光彦が一点を指さす。
そこには目元にくまを作った眼鏡のひょろっとした男の人が、車にもたれかかっていた。
あの人か。
5人揃って近づいて、話しかける。
「ねえおじさん!」
「おじっ…は、はい…私のことですか…?」
「お姉さんが!」
「真っ暗で怖くて…」
「すんげぇ怖かったんだぞ!!」
3人が一気に話すため男の人が困ったように眉を下げた。
「お前ら一旦待てって。おじさん、さっきあのビルに春野Aっていうお姉さんが居たんだけど…『特級事案発生』って伝えろって」
「特級…!?まさか……」
「おじさん…あの姉ちゃん大丈夫なのかよ…!」
「Aお姉さん戻ってこないよ…?」
「君たちは……そうか、例の…」
俺たちをぐるりと見渡した男は頷く。
しかしゆっくりと笑った。
…いや、笑ったというのが正しいのか?
笑い慣れていないのか少し不気味だ。
「春野さんなら大丈夫です。あと5分もしたら戻ってきますから」
「え…?」
「それより春野さんが戻ってくるまでここで待っていてください。お聞きしたいことが」
私は伊地知と言います、と名乗った男。
伊地知…伊地知……いや、知らないな。
続々と自己紹介するコイツらを横目に、灰原の隣に立つ。
「どうだ?気配は」
「少なくとも、組織のヤツらでは無いわ。…ただ別の悪人かもしれないわね」
「……わかった」
俺はまだあの人に聞かなきゃなんねぇ事が山ほどある。
なんで俺の正体を知っていたのか、敵か、味方か。
だから死なれたら困るんだ。
廃ビルを見上げると、ドォンッと大きな音と共に最上階が爆発した。
「なっ…!?」
そして降ってきたのは____
1282人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさみ - 続き気になり過ぎます!楽しみに待ってます!、 (2022年5月25日 0時) (レス) @page9 id: b2fcc691e1 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - あの、3ページのvol.2廃ビルと肝試しの話なんですが、任務内容が路地路地裏になってしまっています。誤字でしょうか…? (2022年4月16日 10時) (レス) @page3 id: 9f47d6b5fe (このIDを非表示/違反報告)
柊 - 続編おめでとうございます! (2022年4月15日 23時) (レス) @page2 id: 98cd497361 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セツ | 作者ホームページ:
作成日時:2022年4月15日 0時