５１話 助言者は実兄 ページ4
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「いや、いい。 連絡したところで負ける戦じゃない。 それでえっと、真緒くんの携帯から掛ければいいんだっけ……？」
「おう、貸すよ。 ……ぜろはちぜろの、ぴっぽっぱ〜っと♪」
明星くんが「出るかな、朔間先輩の弟！」と抱きついてくる。 明星くん、パーソナルスペースとか知らないのかな、知らなさそうだけど。 携帯を持っている手に飛びつき、一緒になって耳を当てるような姿勢だ。 いいけどね、嫌じゃないから。ちょうど、ワンコール鳴った時。
『はい』
「うん。 なんか連絡欲しがってたみたいだけど、何？」
『……兄者が家で事情聞いたみたいで、怒ってる。 それで、防音練習室にいるの？あんた』
「そうだけど、なんで知って……」
ギロリと真緒くんを睨(ね)め上げた。こいつ、まさかそういう魂胆か？性悪ごときに買収されやがって。 「サリ〜、お泊まりのこと言ったの？」 「えっ。いや、俺はなにも言ってねえけど」二人のやりとりからして、真緒くんは何も知らないみたいだ。
『俺は場所知らないけど、なんか兄者が向かうみたい。 厄介だよ、俺が行くよりずっと』
「…あっそ。 あと何分ほどで着くわけ？」
『逃げたところで結末は変わらないと思うけどねぇ……。 さっき家を出たっぽい、どうでもいいなぁそんなこと』
兄者が私の居場所を知っていると言うだけか。 結構すごいことなのだけど、そんなことも気にならないほど深刻な状況に置かれていた。 兄者が、やって来る。 こうしている間にも刻々と近づいて来ている。
『さっさと帰って来なよ……その方が得策。 『お兄ちゃん達』から逃げられないってのはもう火を見るよりも明らかでしょ』
『いつまで赤ちゃんみたいなことしてるつもり？』
ここで、直接目を合わせて対話できないことが、何より残念だ。 どんな顔してそんなことを言うのか、とっても気になるじゃないか。
「ふふ、心配してる。 だけどもう前のわたしじゃないからね、『赤子と間違えるなんて』ってのこのこ帰ったりしないよ」
「お兄ちゃんなんて、大っ嫌いだ。 今は胸張ってそう言ってやれるけど？ ふふ、それならいつでも聞かせてあげる」
「じゃあね。逃げなくちゃ♪」とまくし立てて切った。 もう、魔の手はそこまでやって来ている。−−−大人しくお帰りいただこうか。
「えっ？逃げるって……？」
「そのままの意味だよね？ あの虫けらがこっちに向かって来てるらしいから、ちょっと席を外すんだよ」
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日向サク(プロフ) - さくぷらさん» わぁっ、ありがとうございます！ やる気出ますね、これからも頑張れそうです！ コメントありがとうございました！！ (2018年4月3日 9時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
さくぷら(プロフ) - 初めまして！前作からお邪魔しております。夢主ちゃんが可愛くてついつい読んでると笑顔になるぐらいこの小説が好きです…(*´ω`*)続編おめでとうございます！これからもささやかながら応援させてくださいませ(*^^*) (2018年3月27日 20時) (レス) id: af6c7ada7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク x他1人 | 作成日時：2018年3月27日 19時
