７１話 追儺(ついな)を繰り返している ページ24
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「ちゃんと顔を合わせて話すんじゃ、A」
「やだ。 お兄ちゃん〜……」
「ほら」とやんわりと引き剥がされそうになって、恐ろしくなる。 私が、この私が、大切じゃないの？ 前述の通り、甘えないと甘やかしてはくれない。 未(いま)だ、自然の摂理を守ってやがる。
「こう言っておるから、嬢ちゃん____ん？ 『大丈夫です』と？ いやあ、すまんのう。今、我が妹は稀に見る甘えん坊になっておるようでの……♪」
「して、今回の件(くだん)。 かわゆい妹のことじゃ、我輩からも二人を思って『矯正』の一手を加えさせていただく。 嬢ちゃん、異論はないかえ？」
彼女は『ないですよ』と淡白に答えた。 どんな顔をしてそんなことを言ったのか、まだわかっていないけれど、あんずの言動にそんな表裏的なずる賢い意味はないだろうと、勝手に思っていた。
「わかったよ、あんずは向き合ってくれてるんだもん。 年上はそれに答える努力をしなくちゃ。 _____それが当然だよ」
「えっ？ 『やっぱりあなたは優しい』？ ううん、それはあんずがいたからで……。 あなたに出会わなかったら、ただの生ける屍(しかばね)、亡霊だったに違いないよ」
あぁ、そう思うと、全てが全てあんずに生かしてもらっていたんだね。 傲慢なこの考えも、あんずなら……と妥協してこじ付けてしまう自分がいる。
「私も、もう一回、ちゃんと謝りたい」
「ありがとう。 いつも、いつもいつも……。 その努力とやさしさのおかげで私は救われているよ」
「私、このゴミ……じゃなくて兄者に憧れてたけど、遊木くんに図星突かれて、こんなの好きじゃない〜って一人で気立ってた」
ほろほろと崩れていく。 固く凍った心。 崖上に立って遠吠えを繰り返していたけど、いつしか、その下にあんずが立って「降りていいんだよ。降りておいで」って言ってくれていた。
下ったって、お前たちは努力を惜しまないよね？ 信じてみるよ。 お前たちの、ぜんぶを。
７２話 地獄の沙汰(さた)も→←７０話 女の影に忿恚(ふんい)
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日向サク(プロフ) - さくぷらさん» わぁっ、ありがとうございます！ やる気出ますね、これからも頑張れそうです！ コメントありがとうございました！！ (2018年4月3日 9時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
さくぷら(プロフ) - 初めまして！前作からお邪魔しております。夢主ちゃんが可愛くてついつい読んでると笑顔になるぐらいこの小説が好きです…(*´ω`*)続編おめでとうございます！これからもささやかながら応援させてくださいませ(*^^*) (2018年3月27日 20時) (レス) id: af6c7ada7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク x他1人 | 作成日時：2018年3月27日 19時
