６７話 改竄(かいざん)する意味 ページ20
〈数時間後〉
「私、思ってもいないことを言っちゃって。 無作為にあんずや明星くんたちを苦しめて……」
言ってすぐ、というわけでもないが、ぼーっとこれまでの一連の失態に思いを馳せていると、簡単に「申し訳ない」と思うようになっていた。 間違いなく、言うまでもなく、悪いのは私だった。 「なんて汚いやつら！」だなんて、こんなとんでもないことを一瞬でも思ってしまう次第だ。ーーー会わせる顔がない。消えたい。 これこそが、極刑。 わたしが背負うべき、真紅の誓い。 十字架を背負うんだよ、迷惑をかけたみんなのために、私自身のために。
(ううん、極刑なんかじゃないよ。残酷に見えて、けれどそれは一番楽する方法なんだよ。 自分がされておいて、わたしってば、学習力がないんじゃないの？ ちゃんと会って、『これからも仲良くしてください』って言わなきゃ……)
「黙れ。 ＿＿ごみ虫が、誰が口を開いてもいいって言った？」と隣から聞こえてきた。 隣もまた、空き教室。 この時間帯なら、余裕で活動範疇だ。 あいつらの声が聞こえたって、何らおかしくない。 どうせまた兄者が引っ掛けまわしているんだろう。
あいつ、私にも性悪にも嫌われているというのに、なぜ「ギブアップ！」と吠えないんだろう。 よく、私や凛月が自分の全てだと豪語するくせに。 むちゃくちゃだよ。 おかしいよ。
「あん、意地悪だの〜。 お兄ちゃん、そういうのは『お望み』じゃないんじゃけど。 凛月、昔みたいにお兄ちゃんにお歌を聴かせておくれ……♪」
「はあ？ 耳ついてんのか、お前。 さっきから出て行けって言ってるよねぇ、……おい」
「痛たたっ⁉」と叫び声も聞こえてくる。 仲良く何をやっているのか、あの人らは。 凍りついたような、零度をもよおす声音だけが、真実だと思える。 私たちは、お互いに拒絶しあうことで寿命を繋げるような種族だ＿＿＿まっとうな生き方など、はなから知らなかったのかもしれない。こんなトチ狂った存在、誰がヒトの輪に入れてくれると言うだろう。
私は、「よっこいせ」と重い腰をあげて、すたすたと教室を出た。
「____こら、人外ども？ うるさいんだよ。 兄弟喧嘩なら、他所でやりなって……気色の悪い」
「あ、A。 お兄ちゃんだよ〜……、なんかゴミ虫がひっついて離れないの。 そっちに投げ飛ばしていい？」
「意味がわからないな。 駄目に決まってるでしょ、そんな重いもの」
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日向サク(プロフ) - さくぷらさん» わぁっ、ありがとうございます！ やる気出ますね、これからも頑張れそうです！ コメントありがとうございました！！ (2018年4月3日 9時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
さくぷら(プロフ) - 初めまして！前作からお邪魔しております。夢主ちゃんが可愛くてついつい読んでると笑顔になるぐらいこの小説が好きです…(*´ω`*)続編おめでとうございます！これからもささやかながら応援させてくださいませ(*^^*) (2018年3月27日 20時) (レス) id: af6c7ada7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク x他1人 | 作成日時：2018年3月27日 19時
