６６話 瓦解(がかい)した偽り ページ19
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「まあ、いいけど。 わたしはまだ発展途上。 ___熟れたら朽ちていく果実とは違って、わたしはまだまだ『これから』なの」
「まさに老体に鞭打ち、だね？ くっ……ははは！ ほぉら、こうやって人は死んでいくんだ！」
椅子に座って、「ふん！」と堂々と脚を組んだ。 苦しゅうないわ、庶民ども？ クッキーはもう差し上げたので、用無しだ。 もう自分の席に着こうか。
「……うん？ あんず、何を当たり前なこと聞いているの？ 兄者が嫌いなのかって、ーーーふふふ、わざとそういうこと言うの……？」
「わたし、前から思っていたんだけれど、あんず、君は『地雷』っていうものを知らないの？」
北斗くんがあんずの前にいきり立つ。____ 萎えた。私はべつに、ひとりになりたかっただけなのに。 侵害され、迫害された。 どうしようもない悲壮感に、苛立ちが重なった。
「『気を悪くしたなら謝る』って？ ……ふっ、意味わかんない。 こんなにぐちゃぐちゃにしておいて、ここで終わりにするの？ 仮にも追い込まれた状況のわたしに、ここまでやったんだよ」
「ほらほら、A。 なに怒ってるの〜。 イライラしてるからって、それをあんずに当てちゃ駄目だよ。 後悔するのは、Aだよ？」
私が、兄者のことで気が立っていることを察してか、さりげなくあんずと私の距離を離した。 あんずを後ろ手に隠して、ことを免れようとするのだ。 −−−きらいだな、そうしていれば穏便に済むとでも？ そう何でもかんでも、うまくいくはずがないよ。
「なんで、……明星くんまで」
「殺すよ？」とまでは言えなかった。 当たり前だ、憎んでいたはずの兄者や性悪にさえ「殺す」が言いづらくなっていた。 それを、どうしてよりによって今、気づいてしまったのだろうか。
「知らないよ、もう。 君たちなんか、友達でもなんでもない。 赤の他人だ。 _____一生、ずうっと、あんずとくっついてればいいでしょ……⁉」
「そうなることをずっと望んでたくせにっ、」
明星くんに渡したクッキーの袋を奪い取って、床に落とす。ーーーグシャッ！ それは私によって踏みつけられ、粉々に姿を変えて、晒された。 ブーツで踏みつけられたクッキーを蹴り上げて、散々にしながら私は教室を出た。
「死ね、死ね、殺してやる……！ わたしが邪魔ならそう言えばよかったでしょうが⁉ あんずだけを守りたかったのに重荷になってたって！」
「＿＿っ、なんでそんなことすら言ってくれないの！」
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日向サク(プロフ) - さくぷらさん» わぁっ、ありがとうございます！ やる気出ますね、これからも頑張れそうです！ コメントありがとうございました！！ (2018年4月3日 9時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
さくぷら(プロフ) - 初めまして！前作からお邪魔しております。夢主ちゃんが可愛くてついつい読んでると笑顔になるぐらいこの小説が好きです…(*´ω`*)続編おめでとうございます！これからもささやかながら応援させてくださいませ(*^^*) (2018年3月27日 20時) (レス) id: af6c7ada7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク x他1人 | 作成日時：2018年3月27日 19時
