４８話 お友達になろう ページ1
〈放課後〉
「あっA！ ……少しだけ、いい？」
ちょいちょいと、明星くんが手招きをしている。 今日一日、ずっとだった。こそこそとあんずと、真緒くんを除く『Trickstar』のメンバーで、顔を突き出してなにやら相談していた。
わかっているんだけどね。 どうせ私のことで、その脳味噌使ってるんでしょ。 本当、無駄なことするよね。
「家出」「Aが」「兄弟不仲」など、各々に推理を展開しているようだった。 だから、尚のこと今日はみんなに『腫れもの扱い』をされた。 寂しいし、悲しい。 皆くらいはいつも通りでいて欲しかった。
「たしか、防音練習室に泊まるんだったよね？ そのことでさ、俺たち考えたんだけど……う〜んと、えぇっと？」
「俺が説明しよう。 俺たちも一緒に残ることに決めた。 ーーーこれは、決定事項だ。 もうあんずに申請書なども出して貰ったからな、あぁついでにおまえの名前で入れておいたぞ」
ぺらぺらとよく喋る口だ。 そして、身勝手。機関銃のようにまくし立てて、私が焦っているうちに合意させようという魂胆か。 宛(さなが)ら、悪徳商法ですらある。
「残る、って。 ……えっ。一緒の部屋に泊まるってこと？ ちょっと待ってよ。 はぁ？何それ」
「楽しみだねっ、A〜♪ 大丈夫！ 男所帯で〜とか、そこら辺の配慮はしてあるから！ ほ〜ら見て見てっ、あんずも一緒〜☆」
私が何か言う前に、明星くんはあんずをずいっと差し出してきた。 あんずは目をキラキラと輝かせながら、殺虫剤とコールドスプレーを持ちながらポーズを構えている。 なんだその組み合わせは。
意気込んでいるあんずが愛らしくて、つい口角が緩んでしまう。
「わ、笑った……！？ ウッキ〜隊員、A隊員が今笑ったぞ！ 見たか、しっかりと目に焼き付けたか〜〜！？」
「いや、なんでわたしまで隊員に入ってるの。 うん、ていうか、あんずってここのクラスだっけ……。 今まであんまり見なかったから驚いてるよ」
「これは僕の幻覚じゃないんだね〜〜！？」と遊木くんも、舌を巻いた様子で叫んだ。 いやいや、あんたも乗らなくていいのに。とかなんとか、それでもこんな馬鹿らしい茶番にさえ、幸せを見出してしまう自分がいた。
「『そんなに存在感ないかな』って？ そんなことないと思うよ。 あぁそれより、敬語じゃないね？ 嬉しい。 お友達みたいだね……♪」
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日向サク(プロフ) - さくぷらさん» わぁっ、ありがとうございます！ やる気出ますね、これからも頑張れそうです！ コメントありがとうございました！！ (2018年4月3日 9時) (
レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
さくぷら(プロフ) - 初めまして！前作からお邪魔しております。夢主ちゃんが可愛くてついつい読んでると笑顔になるぐらいこの小説が好きです…(*´ω`*)続編おめでとうございます！これからもささやかながら応援させてくださいませ(*^^*) (2018年3月27日 20時) (レス) id: af6c7ada7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：日向サク x他1人 | 作成日時：2018年3月27日 19時
