暗闇,037 ページ38
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「それはまぁ、もちろんですが……あなたもですよね?ふふ、わたしだけではないんですよ。会長さまをもとめるのは」
「現段階での生徒会長はえっちゃん……天祥院英智だよ。それとね、誤解しないでね。」
「俺は好きじゃないから、あんな虫けら。死ねばいい。いるだけで目障りな奴だよぉ」
ーーー彼女の双眸から、ふっと光が消える。
凛月は未来への灯火に慈悲なく氷水を振りかけた。黄金の煌めく瞳から、静かに殺気が溢れ出す。有無の気圧。笑面夜叉。いつもは輝きを放つかぐやでさえ、非常時にはその本性を現すのだ。
こんな悪言、許されるはずがなかった。他人を揶揄うだけでも、顔色を悪くするような彼女だから。こうしている間にも、静かに怒気が空気中を満たしてゆく。
「撤回してください。いまの発言は、ゆるされません。」
「あなたは、会長さまが傍にいるのをいいことに、あまえすぎではありませんか?ひとは永遠ではないのです。あなたはもう少し、」
「ーーーじぶんの言動に責任を持ちなさい」
凛月の言い分にも納得できる部分はあるはず。自分を放置した報いを、贖罪を、あいつも受けるべきなのだと。たしかにそうでないと、割に合わないのだから。
だからって場を弁えずに、口汚く罵るものだから、彼女が怒ったのだ。家族だからって、相手を詰っていいわけじゃない。逆に、大切に愛でてやらなくては。
そのことを誰よりも痛感している人物が言うのだから、それはそれは大層に的を得ている話のはずなのだ。
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日向サク(プロフ) - ありがとう〜 (2017年12月14日 18時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
しょーり - サイコー!! 大好き!! キュンキュン!! (2017年12月14日 18時) (レス) id: d8a6f4a6f4 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - とってもいいです!!最高です!!応援しています!更新頑張って下さい! (2017年10月17日 1時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク | 作成日時:2017年9月16日 10時