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暗闇,029 ページ30






「むう、ひどいですよ……まったく」



「ま、そう言うなって。『悪の権化』とも謳われた俺たちが校内の掃除してると、なんか面白いだろ?俺は青春っぽくて好きだぜ〜♪」



「そういうものなんですかね……?まあ、あの悪名だかき『五奇人』がおそうじなんて、わたしでも笑っちゃいますけどね。くすくす」




大人しく六人で学院を掃除する。『元来たよりも美しく』という謎の精神論の下(もと)、静かに次の悪戯を考えるのだ。考えてもみたら、意外とシュールな絵面にはならないだろうか。



「宗にいさん、さっきから大人しいと思ったラ……やけに嬉しそうだネ?ボクの予想ではそう従順には従わないと思っていたんだけド」



「掃除をすることは、何も悪いことではないからね。小僧、窓枠に掛かっているタオルを取ってくれないかね……♪」



「ハァ……。まあ、別にいいけド」



彼の口から、『雑巾』と発されることはない。タオルなどと言い換えて、なんとしてでもその愚言から免(まぬが)れようとするからだ。ほぼプライドの塊である。全くもって、傀儡師の鑑(かがみ)である。




「おとまり会したかったです〜……。昔からそうなんですよね、あの人は。一度でもいいから、じぶんの『いし』で動けばいいのに」



「それには僕も賛成するね!蓮巳も蓮巳で、なかなかの感性を持っているというのに。」




「天祥院と昔馴染みだというだけで、人生の半分は損しているのだよ!ノンッ!駄目ッ!そんな愚挙は僕が赦さない‼」




「えぇ。そこはわたしでさえ、(いな)めません〜……」




つまりは、同意するということなのだろう。対比が違うというだけで、実際は彼女も『五奇人』と同じ感性を持っているのだ。ただ、決定的な事実として実力が足りないだけ。



−−−実力差は圧倒的だ。




「俺のことはどうでもいい。それより手を動かせ、あまり夜の学院でウロウロされると迷惑だろうからな。さっさと家に帰れ、問題児共」


「ぬおぉ…『ぼぉ』さん。帰ったのでは?」



「冗談だろう。こんな不穏分子を残して、おめおめ家などに帰れるものか。……まぁそれはいいが、何故俺のことで斎宮と話していたんだ?」



「ともだちですからね、あなたについて一切合切『て』を抜かないとちかいましょう」



歯車が噛み合わなくなって、ガキンガキンと不協な音を立てていく。彼女はニコニコと、猫のように床に寝そべるだけ。それなのに難解型だ。酷すぎる仕打ちであろう。

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日向サク(プロフ) - ありがとう〜 (2017年12月14日 18時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
しょーり - サイコー!! 大好き!! キュンキュン!! (2017年12月14日 18時) (レス) id: d8a6f4a6f4 (このIDを非表示/違反報告)
亜純(プロフ) - とってもいいです!!最高です!!応援しています!更新頑張って下さい! (2017年10月17日 1時) (レス) id: f65f9d6e58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日向サク | 作成日時:2017年9月16日 10時

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