私に関わろうとしてくるクソ虫(兄者)２乗。

７話 性悪 ページ8

〈翌日〉



−−−私は、毎日早くに起きる。


誰に指図されるとか、そんなのじゃなくて。誰に言われなくてもちゃんと自分で起きられる。一族の体質を考えると、それはあんまり良いことじゃないんだろうけど。それでも私は、兄とは違うってことを周りに証明したい。



「あの『性悪』……。わたしにあの人の世話を焼かせないでって言ってるのに、どうしていつも自分でやらないの。」


「こんなの置いて、部屋が腐っちゃう。」



朔間凛月。−−−本人やあの人の前以外では、『性悪』と呼んでいるけれど。酷くないか、これは。私だってあの人が苦手なのに、私に世話を焼かせてきやがって。

あんた、『ありがとう』の一言くらい自分でいいなよ。赤ちゃんじゃないんだし。お礼も素直に言えない奴はアイドル以前の問題、同族として恥ずかしいんだよ。



「う〜ん、そもそもなんでブレザーなんて持ってるの。しかも、勝手に部屋入って来てるみたいだしーーー」


「わたしだって極力関わりたくないのに〜……」



「言っておくけど、わたしはあんたも嫌いだからね」と兄者のブレザーに向かって、吐き捨てる。そうでもしないと、あの人の下世話なんてやっていられない。あの性悪、自分だって嫌いなくせに、嫌がらせで私に接点持たせようとしてくる。

(えぇい。……殺すぞ、そろそろ本気で。)


「どうしていぶり殺してくれようか……。とりあえず登校して、そこから計画を練ろう」


今日の楽しみがひとつ増えた___。

俄然(がぜん)、やる気も出るし良いことだらけ。わたしは嫌いな奴とはいえお仕置きに手は抜かないからね。触りたくないとか、そういうのは後で後悔することに決めてるから。

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