5話 名乗る資格 ページ6
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「薫くん、黙っていてくれんか。 少しだけでいい。我輩、愛しい妹の言い分をしっかり聞き入れたいんじゃ」
「えぇ〜わかった、俺あっちに行ってるー」
なんか二枚看板おもしろい。ユニークだ。 こいつさえいなければ、ここに入ってたのに。私自身ロックとかあんまり得意じゃないけど、ユニットの雰囲気が好き。仲良いからね。
「おっ……『お兄ちゃん』の棺桶だよね〜あれ。なんかわたしが使ってたみたいなんだけど、」
「−−−ねえ、触った?」
ムッと思いっきり睨んだ。2人とも、驚いた様子で私を見ている。「私を触った?」ほぼ確信に近い心情で、私は怒っているのだ。
「うぅ。だって仕方なかったんじゃもん!あんなところで、お兄ちゃんがあげたブランケットも使わんと……愛しい妹が風邪を引くと思えば、身体が勝手に動いておったんじゃもん!」
「うん、まって。何そのしゃべり方……。わたしに怒られたくて、わざとそういうことやってるの……?」
「分かんないかな。普通はヤでしょ、あぁいうの。おっ……『お兄ちゃん』しか棺桶使わないんだからさぁ? ねぇおい、なに笑ってるの」
何を言われても凹(へこ)まない。そんな態度に、いちいち虫酸が走るんだってば。「幸せじゃのう」今のあんたにそんなこと思う資格なんてない。幸せなら不幸にしてやる。だから、あんたごときが勝手に幸せになるんじゃないよ。
「触らないでよ。この際だから言うけど、『お兄ちゃん』の存在が不愉快だ。ヘーきでわたし達を置いてったのに」
「いまさら、老けて帰ってきて。なんなの?」
イライラもあったけど、どうしようもなくて困ったという感じの方が心中で満ちている。どんな顔したらいいかも分からなくなって、情けなくも下を向いた。
「うぅむ……。たしかに、もう既にそういう資格はないのかもしれん。『家族』を名乗る資格なんてないのかもしれぬけれど」
「しかし、じゃ。言葉遣いには気をつけよ。それとこれとは話が違うじゃろ。……ほれ、女子が肌を露出するものではないよ」
「そういう話してないじゃん」とつぶやく。どういうつもりで、わざわざ話を逸らしてくるの? 凛月に接するときとは違う態度で、なおも複雑であって。それでよく私を深く悩ませる。
「はぐらかさないで、なんで凛月が良くてわたしは駄目なの……? あぁそういうこと、わたしは凛月に負けたんだねぇ」
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黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時