39話 自由から成る藝術 ページ40
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「自由帳……。 A、わざわざこんなものを買わずともキャンバスノートを貸してあげるというに」
「ふふん、わかってないなぁ。 さすが兄者。自由ってほどだから、それには描く人の個性が現れるんだ。 つまり、わたしだけの藝術(げいじゅつ)が具現化される」
「わかる? ねぇ、わかってもらえるよね……?」と詰め寄る。 これは分かってもらえないと困る。 私の理解者がいて欲しいとは思わないけれど、味方がいないのとはわけが違う。せめて、身内が欲しいということ。 特別それには関与しろとは言わないから。
−−−それには、『真っ白』に書き殴る必要があったから。
「おや。やけに食いついてくるんじゃのう? A、いつもは『兄者に理解されなくて結構』とかって『かわいくないこと』を言うじゃろ。 ……あぁ別にそれについてどうこう言うわけではないよ」
「き、聞いてないけど! ?……そういうの今は聞いてないでしょうが! あぁんもうっ」
「くくっ。 そうじゃの、フフフ……♪」
「ヤな笑い方だなぁっ!」と珍しく取り乱す。 ちょうど頭の中に浮かんできたものを、兄者に見られてしまったから。雪辱を果たしたかったが、なにより此処にいることが一番の恥だと思ったので、お弁当箱のコーナーへと駆けた。
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『えっ、『UNDEAD』の朔間零が____!?』
嘘でしょ、という叫声が聞こえてくる。ちょうど今、私がいるディスプレイのひとつ向こうの様だけど。「確かめてみる?」「インスタ映え!」などと、俗物ならではのいわゆる『俗語』が頻発した。
(そりゃそうなるでしょ、いくら変装しているとはいえ相手はあの朔間零だよ。 悔しいことだけど、変装ごときじゃ隠せないオーラっていうか……?)
「失礼。 …あの、わたしの『お兄様』に何か? そう聞こえたものですが? 違いますか? ……はい? なんと?」
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黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時