14話 花子 ページ15
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「そうか、リッツの妹だもんな。覚えといてやるっ、え〜花子……?」
釣り気味の猫目を細めて、手を私の前まで差し出してくる。あまりにも流儀が在るもので、つい手を取りそうになって急いで引っ込める。頰が熱い。真っ赤に染まって、爆発しそう。
「ちがう。A、朔間A。別に覚える気ないなら覚えてもらわなくてもいいし。わざとじゃない、悪意がないっていうのが一番癪に障る。」
「わははっ、絡むなよ〜面倒臭いぞお前!」
「め、めんどくさいって、そんなこと言うな……!」
どんどん頰が染まっていくのが、自分でもよくわかる。ヒリヒリとした感触が首筋にまで伝わるようでむず痒い。あぁ、なんて簡易的な女。
(も、もう嫌なんだけど……何こいつ…。)
「え〜、顔が真っ赤なんだけど……?少女漫画の読み過ぎじゃないかなぁ、いい夢見すぎ〜♪」
「うるさい。『兄』が妹を茶化すって言うの?夢見てるのはそっち、吸血鬼のくせに騎士道精神なんか身につけて……馬鹿じゃないの、ふん」
____あぁ、言っちゃった。どうしよう、踏み込んではいけないところをずけずけと入ってしまった。そう思った時には、もうすでに遅くて。
「……。妹でも、そういうことあんまり言わないで」
冗談でも言ってはいけないことを言ってしまったんだと、私は自分を怨んだ。大変な思いしてるのに、こいつだけじゃなくてこの『Knights』全員を悪く言うようなことをしてしまった。
「じ、じゃあね。そんな顔するなら最初から声掛けなきゃ良かったんじゃないの?わたしに構わなきゃよかったねぇ、ばいばいお馬鹿ちゃん」
とても悲しそうな顔をした凛月を見て、何も思わなかったわけじゃないけれど、このままここにいて謝ることなんてできやしないだろうから、私はくるり体勢を変えて走った。
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「お前な〜、もっと妹には優しくしてやれよ?そうじゃないと兄妹ってのは簡単に離れてくもんだからさ。気をつけろ」
「わかってる〜。俺の真似して、兄者に立ち向かってるのが可愛くってねぇ。ナッちゃんじゃないけど、俺は頑張る子の味方〜……♪」
「意味がわからん。さっさと準備しろよ…、セナがプリプリして『くまくんはどこにいるの!』って喚いてるんだから、呑気すぎる!おれが言えんけど、シャキッとしろ!」
「う〜い。明日から意識してみま〜す……」
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黒羽 - はい!!応援しています!でも無理しないでくださいね!!(*´ω`*) (2017年4月26日 22時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
日向サク(プロフ) - 黒羽さん» おはよう!コメントありがとう、嬉しいです!なかなか夢主の印象を聞く機会が無いので凄く助かるよ!これからもよろしくね!頑張っていくよ〜>* ))))>< (2017年4月26日 6時) (レス) id: 7c85688fc0 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽 - 夢主ちゃんが超かわいいです!これからも楽しみにしてます! (2017年4月26日 6時) (レス) id: c7e72736b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向サク x他1人 | 作成日時:2016年12月27日 21時