恋日和* 【なかなか晴れてくれません】 (ページ6)

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｢あー…いやなんかほんと、結城のやつがごめんな
あいつちょっと女子に対して冷たいところがあるというか…
俺、注意しとくから！その…だからあんま気にすんな！
じゃ！｣

そう言うなり天馬君は走って去ってしまった。
今度こそ本当に取り残された私はただただ目の前の桜の木を見つめていた…。

｢行こうか…A｣

しばらく私を見つめていてそう言ってくれたすみれちゃんと一緒にクラスに向かうことにした。
その後無事入学式を終え帰宅時間。
別れ際に｢いつでも連絡して｣とだけ伝え見送ってくれたすみれちゃんに感謝して私は自分の家に入っていった。

それからはあんまり記憶が無くて気づけばもう夜の10時、今日起きた出来事について受けとめきれずぐったりしていた。

自分でも何が起きたのかちんぷんかんぷんだったけど一番驚いたのは私の行動についてだった。
初めて感じた気持ちに気づくなり彼のもとに走り出した私､今までの私だったら絶対ありえないことだった。
衝動で走りだすなんて…
まず頭で考えてから行動派の私なのだがいきなり感情的な主人公キャラに激変、そしてそのきっかけがまさかの…

｢………。｣

〝恋〟

そうだ、私は彼に恋して…
っていやいやいや！恋したことのない私が、ましてやそんなものとはかけ離れた位置にいる私が！
どうして今日の気持ちを恋だとわかるの！
また彼に告白をした場面を思い出して赤面してしまう。
もう半分パニックになっている私は頼りにしているすみれちゃんに電話をした

『……もしもし、A？』

｢すみれちゃああん
私なんであんなことしちゃったんだろう、もし時間を巻き戻せるなら朝起きたところまで戻したいい｣

『ちょ、ちょっと落ち着いて！
気持ちはわからなくはないけど…』

｢ねぇ、すみれちゃん。
恋って…何？｣

『………え？』

｢私恋ってよくわからなくて、なのに告白とかしちゃって｣

『え…ていうことは何がなんだかわからないまま結城君に好きって言っちゃったって事！？』

｢…はい。｣

『もうAってばどうしちゃったの…!
そんなキャラじゃ無かったのに…』

｢……はい。｣

さすがのすみれちゃんも困惑気味になってしまった。
ごめんね、すみれちゃん…。

｢で、でもね！
あの時はよくわからないけど謎に結城君の事が好きになったんだ、一目惚れなんだって確信して
エネルギーに満ち溢れたというか…｣

『そう…

ん〜、あのさ、Aはさ、』

『その気持ち、どうしたいの？』